女子に人気、寝台特急「サンライズ」の魅力とは 鉄道ファンとマニアのボーダーラインはどこだ
シングルツインは、ベッドが上下2段のメゾネット仕様のB寝台個室。通常はベッドメイキング状態でセットされているのだが、下段はシーツと真ん中のマットを外せば、ソファ席にできる上、テーブルも出せる。
検札しにきた車掌さんが「へえ、ここ、こんな風になるんですか!」と驚いていたので、意外と知らない人も多いらしい。
ひとしきり友人とソファ席仕様で飲んだ後、ベッドにチェンジで就寝。ただし、車端部の個室のため、上段はけっこう揺れる。
そしてこのシングルツインは1人でも使える。寝台料金がシングルより少し高くなるが、シングルの個室だと、1階か2階どちらかのみなのが、シングルツインは1階2階、どちらの景色も楽しめるのがいい。なによりソファとベッドにチェンジできるギミックがとても気に入った。以来、シングルツインが私のサンライズの定宿になった。
新幹線で追いつく?
一度だけ、東京駅までの中央線が事故で止まってしまい、サンライズの発車時刻に間に合わないかも!?と焦って東京駅までタクシーに乗ったことがあった。万が一のために調べたら、東京駅を22時ちょうどに出発するサンライズに、もし乗り遅れた場合、22時10分発の東海道新幹線に乗車して熱海駅で降りれば、追いつくことがわかった。
新幹線が熱海駅に到着するのは22時54分、サンライズが到着するのは23時21分。乗り換えるには十分だ。この日は幸い出発に間に合った。
この時、時刻表を初めておもしろいと感じ、これで小説が書けるかも…と執筆してみたのが、2016年に出版した初めてのジュニア小説「のぞみ、出発進行!!」という、サンライズと琴電が登場する鉄道ミステリーだ。
同年、小説の取材のため、私は琴平行きのシングルツインに1人乗車していた。岡山での切り離し後、発車したサンライズ瀬戸の車内で、事実確認しようと車掌室に向かうと、非常に慌てた男性客が、車掌さんに向かって何か大声で話している。
会話の内容から、この人は出雲行きの客らしい。切り離しを見に行って、瀬戸の「発車します」というアナウンスに慌てて飛び乗ったものの、どうやら乗る車両を間違えたことに気づいたようだ。
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