あのイタリアがコロナ感染者「激減」させた方法

かつての医療崩壊からはとうに脱却

イタリアは世界の嫌われ者から、完璧ではないにしろ、ウイルス封じ込めの模範生のような存在になった。そのプロセスには、アメリカを含めた世界の国々が学べる教訓がある。アメリカではこれまでウイルスをまったく抑えられず、いまでは国中でウイルスが猛威を振るっている。

イタリアはスタートではつまずいたものの、国全体の厳しいロックダウンの効果を確実なものにしてきた。警戒することで、また苦労して手にした医学的な知識を通じて、それを実現した。

10月15日まで非常事態宣言を延長

イタリア政府は、科学や技術の委員会のアドバイスを受けてきた。地域の医師や病院、医療担当の役人は、ウイルスに関する20以上の指標を毎日収集して、地域の担当機関に送り、それらの機関は集まった指標を国立衛生研究所に送った。

その結果まとまったのが、国全体の状況に関する、週ごとのX線写真と言えるものだ。政治家たちは、それを基準にして決定を下した。この様子は、3月にイタリアを襲ったパニック状態や、崩壊に近いような状況からは程遠いものだった。

7月最終週に、イタリア議会は非常事態宣言を10月15日まで延長することを決めた。議会ではジュゼッペ・コンテ首相が、「ウイルスは収束していないので」イタリアはまだ警戒を緩めるわけにはいかないと強調した。

非常事態宣言によって生じる権限によって、政府は規制を維持することができ、どんなクラスターが生じても迅速な対応、たとえばロックダウンなどが可能になる。いまイタリア政府が最も恐れているのは海外からウイルスが持ち込まれることで、政府はすでに12以上の国にイタリアへの入国制限をかけている。

「フランスやスペイン、バルカン半島の国々ではいくつもの事態が生じている。ということは、ウイルスはまったく消えてなどいないということだ」と、医師のラニエリ・ゲラは言う。ゲラは、WHO(世界保健機関)の戦略イニシアチブ担当アシスタント・ディレクター・ジェネラルである。「ウイルスはいつでも戻ってくる可能性がある」。

ロックダウンによる行動制限は、経済にマイナスであることは間違いない。イタリアでは3カ月の間、企業やレストランなどが休業を命じられ、移動も厳しく制限されて、地域や町、通りを超えた移動さえも制限された。観光業は完全に停止した。イタリアのGDP(国内総生産)は、今年10%の減少が予測されている。

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