インスタグラムが「稼げる場所」に変貌する理由 広告収入に投げ銭、中小業者も集客に活用
――コロナ禍でインスタグラムの使われ方はどのように変わりましたか。
インスタグラムにはもともと、大事にしている人や物の近くにいたいと思っているユーザーが来てくれている。コロナの感染拡大でそれがより重要になったと思う。全体の利用動向にも表れている。例えばライブ配信機能は非常に人気になった。2月と3月を比較すると、閲覧数は70%増加した。
日本では2月下旬に休館を迫られた森美術館が館内のバーチャルツアーを配信したり、アウトドアブランドのスノーピークは「バーチャルたき火トーク」を開催したりしていた。配信を終えた後は、長尺の動画を配信できる「IGTV」にアーカイブ動画を保存し、後からでも見られるようにしている。
芸能人が積極的にライブ配信
――企業だけでなく著名人の配信も多いです。なぜインスタグラムが選ばれるのでしょう。
私が思うに、ファンのコミュニティがどこにあるか、どこでつながりを感じられるかが重要だ。初めに話したとおり、ユーザーは好きなクリエイターとつながりたいと思ってインスタグラムを見に来ている。
とくにミュージシャンであれば、これまでファンとつながれるのはライブツアーだったが、今はそれが難しい。今すぐつながりを作れる場所はどこかを考えると、インスタグラムのライブ配信は自然な選択肢になる。ユーザーにとっては、バックステージやサイン会に来たような気分になれる。
(米有名歌手の)ジョン・レジェンドと妻のクリッシー・テイゲンがピアノの前に座って歌う配信をしていたが、彼らのリビングルームで演奏を聴いているような感覚だ。それに刺激されて、自分でもやってみようという人も増える。それがライブ配信がとても人気になった理由だろう。
――アメリカでは配信者が簡単に収入を得られる仕組みも始まりました。
これまでもクリエイターを支援するためにさまざまな施策を行ってきた。とくにプラットフォームが活性化するよう、クリエイターが収益を得るための支援を強化している。
例えばライブ配信では「バッジ」を開始し、ユーザーがクリエイターを(金銭面で)支援できるようにした。また、IGTVでは動画の中で広告を流すことで(インスタグラム側と)収入を分配できるようにした。
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