急増する「英語の発音だけいい人」が抱える難点

英語が苦手な人に「決定的に欠けている」感覚

2020年4月から、小学校5年・6年で英語が教科化されるなど、小学校での英語は大きな変革期を迎えています。この小学校で学ぶ英語に代表される、一連の英語教育改革は、言語をより「感覚的に/自然に」使うことをテーマとしています。この方向性そのものは全否定されるべきものではありませんが、私が最も懸念している問題は解決できないと考えています。

その問題とは「小学校までは楽しかった英語が、中学校から楽しくなくなってしまう」という事態の一層の深刻化です。現在の小学校で学ぶ英語は「感覚的」であり、文法や品詞のような「理屈的」な内容は深く扱いません。しかし前述の通り、中学校に進み、それまで感覚的だった英語学習に突如「理屈やルール」が入ってきて、ギャップに苦しむ子どもが少なからずいることも事実です。

大学入試に「英語4技能」の波が押し寄せ、これまで以上に「しっかりと読み、聞き、書き、話す」ことが求められていく中で、小学校から中学校への「理屈のハードル」を、いかに下げるかが重要になるでしょう。

保育士でもあるゆえにわかったこと

先程も少し述べましたが、私は保育士でもあり、実際に都内の幼稚園で働いていた経験があります。当時、幼稚園では『妖怪ウォッチ』が大人気でしたが、同作や『ポケットモンスター』に夢中になる子どもと接している中で、子どもたちが、“火は水に弱い”や“木は水に強い”“カミナリは水に強い”といった法則を非常に巧みにあやつっていることに気づきました。

子どもたちは“キャラクターに備わった抽象的な属性”を認識し、その概念をしっかりと使いこなしていました。この経験から「品詞の概念をこの自然界の属性(エレメント、と便宜上呼ぶ)に落とし込むことができれば、子どもはかなり早い段階から“言葉には何らかの分類が存在している”ことを無理のない範囲で、認識しはじめられるのではないか」と考えるようになりました。

こうした“感覚と理屈の中間”のアプローチこそが、小学生のような、まだ理屈になれていない人への指導法として有効ではないか、中学校にあがった後の「大ケガ」を防げるのではないかと思うのです。

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