ブルドックソースの十字架、敵対的買収こそ切り抜けたものの…“公約”も絵に描いた餅 

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 カゴメの連結売上高は、ブルドックの10倍以上の1800億円。売上高の9割以上をソースに依存するブルドックと違い、トマト関連食品が主力のカゴメにとって、ソースは戦略商品ではない。仮にブルドックが商品の値上げに踏み切ったとしても、小売り側との関係を悪化させてまで、カゴメが主力商品でもないソースの値上げ追随に動く可能性は低い。つまりブルドックにとって値上げは容易ではない。ソースの値段が1970年代とほぼ変わらないのは、ひとえにこの特殊構造ゆえだ。

実際、07年の原材料高騰時、多くの食品が値上げに踏み切った際も、ソースは据え置かれたままだった。たまりかねた中小メーカー連合が、日本ソース工業界会長を務める喜岡浩二・カゴメ社長(当時・現会長)に直談判したところ、「それなら棚から外される覚悟でブルドックがイオンに交渉に行けばいい、と一蹴された」と当時の関係者は振り返る。

業務用ソースに成長託す 池田体制10年目の正念場

さらに、カゴメはセブン&アイグループのPB向けに08年4月から、化学調味料無添加のソースをブルドックの小売価格より約70円安く提供し始めた。小売店との関係強化を進めるアイテムとしてソースを利用、低価格化に拍車がかかる。

八方ふさがりの中、ブルドックは「今後の成長は業務用ソース市場が握る」(佐藤取締役)と望みを託す。

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