リクルート、「第2のインディード」つくれるか DX推進で業務プロセスはゼロベース見直しへ

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3度目の危機がリーマンショックだ。当時、金融業界は大打撃を受けたが、われわれも人材領域以外のビジネスはなんとか持ちこたえることができた。その際、事業の撤退も行なったが、『ホットペッパービューティ』や『スタディサプリ』など、次のインターネットビジネスに投資もした。

みねぎし・ますみ/1964年生まれ。立教大学経済学部卒業後、1987年リクルート(現リクルートホールディングス)入社。『ゼクシィ』創刊などに関わる。2009年取締役兼常務執行役員、2012年より代表取締役社長兼CEO(写真:リクルートホールディングス)

そして今回が4度目の危機だ。過去の3度の危機で学習したことは、危機時にこそ、それまで何となく使われてきた商品がゼロベースで見直され、本当にいいサービスがあぶり出されるということだ。したがって、危機時にも将来強みを発揮できそうなサービスには投資を続けることが大事だ。

実は数年前から、リーマンショック級の環境変化があった場合の対応をシミュレーションしてきた。その際にも、中長期戦略の柱となる事業には、どんなことがあっても投資を続けると決めていた。そのための財務基盤も整えてきた。

業務プロセスをゼロベースで見直そう

――コロナ禍による社会変化の中で、どんな点に注目していますか。

本来なら数年かけて起こるような変化が一気に起こった。その変化には、一時的なものと恒久的なものがある。

一時的な変化とは、「3密回避」のための個人の行動変容や、それに対応する企業の製品やサービス開発の変化のことだ。『じゃらん』が扱う旅行分野では大人数よりも少人数の旅行が増え、飛行機などの公共交通手段よりも自動車での移動が増えている。

『ホットペッパー』が扱う飲食分野でいうと、イートインではなくテイクアウトが増え、『SUUMO』が扱う住宅分野であれば、在宅勤務が増えて仕事部屋のニーズが高まっている。駅近の賃貸マンショから郊外の庭付き戸建てに移る人も一部で出てきている。

コロナ後の「新常態」とどのように向き合っていくべきなのか。「週刊東洋経済プラス」では、経営者やスペシャリストのインタビューを連載中です。(画像をクリックすると一覧ページにジャンプします)

ただし、重要なのはそうした一時的な変化よりも、恒久的な変化の方だ。その変化を表す言葉が「DX(デジタルトランスフォーメーション)」だろう。企業サイドのDXの動きが顕著になっているが、企業は個人よりも合理的に動くものだと考えている。

企業の中には、いまだに非合理的な業務プロセスが散見される。しかし、コロナ禍のような危機が起こると、そうした非合理的な業務プロセスが顕在化され、ゼロベースで見直す機運が高まる。今はまさにそういうタイミングだ。

「週刊東洋経済プラス」のインタビュー拡大版では、「リクルート自身は変化にどう対応するか」「業務支援サービスの進捗」「後継者に求める条件」についても語っている。
許斐 健太 『会社四季報 業界地図』 編集長

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このみ けんた / Kenta Konomi

慶応義塾大学卒業後、PHP研究所を経て東洋経済新報社に入社。電機業界担当記者や『業界地図』編集長を経て、『週刊東洋経済』副編集長として『「食える子」を育てる』『ライフ・シフト実践編』などを担当。2021年秋リリースの「業界地図デジタル」プロジェクトマネジャー、2022年秋より「業界地図」編集長を兼務。

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