韓国のパネル大手のLGディスプレーは、7月23日、広東省広州市で第8.5世代有機ELパネルの量産開始式典を開催した。同社にとって韓国以外で初めての大型有機ELパネル製造ラインであり、工場の建設開始から3年の歳月を経てようやく本格稼働に漕ぎ着けた。
「多くの紆余曲折があったが、新工場は大型有機ELパネルにおけるわが社のポジションをより強固にしてくれるだろう」。LGディスプレーCEO(最高経営責任者)の丁豪栄(チョン・ホヨン)氏は式典でそう述べた。
同社は2017年7月、広州市に460億元(約6876億円)を投じて有機ELパネルの新工場を建設する計画を発表。2200×2500ミリメートルのガラス基板を使用し、55インチ、65インチ、77インチなど大型テレビ向けの高精細の4K有機ELパネルを製造する準備を進めてきた。
新型コロナの影響で量産開始に遅れ
当初、新工場では第8.5世代有機ELパネルの量産開始を2020年1月に予定していた。ところが、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて時期が何度も延期された。パネル業界の内情に詳しい関係者によれば、LGディスプレーはこの遅れを取り戻すため、韓国からチャーター便で数百人のエンジニアを広州に送り込んだ。
現時点では、LGディスプレーは大型の有機ELパネルを量産できる事実上唯一のパネルメーカーだ。韓国の主力工場はガラス基板基準で月7万枚の生産能力を持つ。丁氏によれば広州工場の生産能力は月6万枚で、需要の増加に応じて月9万枚まで引き上げることが可能だという。
中国の市場調査会社は、LGディスプレーの広州工場の量産開始に伴ってテレビメーカーの有機ELテレビの出荷台数が大きく増加すると予想している。2019年に340万台だった有機ELテレビの世界全体の出荷台数は、2020年には一挙に500万台に迫る可能性がある。
(財新記者:彭岩鋒)
※原文の配信は7月24日
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