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ツイッターの事例からわかるのは、新サービスを展開する際には5年以上赤字が続くことを覚悟で始めなければいけないということだ。

近年、日本の大企業を中心に、新しいことを始めようとしてもなかなか許可されないという話を頻繁に聞く。リスクがあり、市場規模が見えないような場合(あるいは現在は市場規模が小さい場合)にそのようなことが起こるようである。

イノベーションのジレンマ

これはハーバード大学教授のクリステンセン氏の言葉を借りるならば、「イノベーション(イノベーター)のジレンマ」といわれるもので、いわゆる大企業病の1つである。

『なぜ、それは儲かるのか: 〈フリー+ソーシャル+価格差別〉×〈データ〉が最強な理由』(草思社)。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

イノベーションのジレンマとは、簡単に言うと、既存製品の改良によって事業が成り立ってしまう大企業が、既存製品や既存事業の持続的イノベーションにばかり注力し、将来大きく伸びる可能性のある新事業への投資を行わないことをいう。その結果、まったく新しい価値を生み出すような破壊的イノベーションを起こした新しい企業の登場で、競争力を失ってあっさり敗れ去る。

フリーやネットワーク効果を導入し、情報社会においても持続・発展していくビジネスを構築するには、このようなジレンマに陥らないようにする必要がある。社員一人ひとりがリスクをとれるようにし、短期的に利益が上がらなそうな場合でも創造的な活動を継続できるような環境を整えることが重要なのである。

山口 真一 国際大学グローバル・コミュニケーション・センター准教授

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やまぐち しんいち / Shinichi Yamaguchi

1986年生まれ。博士(経済学・慶應義塾大学)。2020年より現職。専門は計量経済学、ネットメディア論、情報経済論等。NHKや日本経済新聞などのメディアにも多数出演・掲載。主な著作に『ソーシャルメディア解体全書』(勁草書房)、『正義を振りかざす「極端な人」の正体』(光文社)等がある。KDDI Foundation Award貢献賞等を受賞。他に、東京大学客員連携研究員、早稲田大学ビジネススクール兼任講師、シエンプレ株式会社顧問、株式会社エコノミクスデザインシニアエコノミスト、総務省・厚労省の有識者会議委員等を務める。

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