「ポテサラおじさん」ドイツでは有りえない理由 「母親への要求が高すぎる」日本のモヤモヤ
いきなりですがドイツの主食はジャガイモです。そのためジャガイモ料理のバリエーションは豊富で、もちろんポテトサラダもあります。日本のようなマヨネーズを使ったものではなく、お酢を使ったものが主流です。かといって家で常にポテトサラダを常備していなければいけないということはなく、当然「お母さんならポテトサラダを作れ」というような説教も聞いたことはありません。
また、ドイツのもう一つの主食としてパンがあります。筆者は日本に住んで20年経ちますが、面白いのは日本の女性によく「やっぱりパンは手作りするのですか」と聞かれることです。
確かに日本ではパンを手作りすることが流行っていて、自宅用のパン焼き器も発売されているぐらいです。ところが毎日パンを食べるドイツでは「パンはパン屋さんで買うもの」であり、自宅でパン作りをする女性は少ないのです。
パンが主食であるドイツの女性よりも、パンが主食ではない日本の女性のほうがパン作りに凝っているのはなかなか興味深い話です。もしかすると「女性は何でも手作りをするのがよいことだ」という考えが日本には根付いているのかもしれません。
ドイツの母親は「手作り弁当」に悩まない
そんなドイツですから、当然子どもが外で食べるものに関しても、日本でいう「手作り」のものはありません。
そもそもドイツには「お弁当」という概念はありません。お昼になると、子どもたちはPausenbrot(パウゼンブロート、「休み時間のパン」という意味)を食べます。ハムやサラミを挟んだサンドイッチを持たせる場合もあれば、子どもの健康を考えて密閉容器を持たせる親もいます。そして気になる密閉容器の中身は……バナナとリンゴです。リンゴは4分の1ぐらいの大きさに切りますが、バナナはそのまま入れますし、子ども用に果物をかわいくアレンジしたり細かく切ったりはしません。
日本人からすると味気なく見えるかもしれません。ですが、ドイツでは歯の健康を考えて細かく切らずに「まるごと」が常識です。
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