この問題の答えは、通勤ラッシュの時間に便数が多いdが「②東京郊外の住宅団地のバス停」、朝早い時間と夜遅い時間に騒音の問題から便が出ておらず、さらにすべての便が「5」「10」「30」など5の倍数でキリのいい数字になっているbが「①成田空港の上海行きの航空便」、便数が極端に少ないaが「④人口約5000人の山間部の村のバス停」、残りは消去法でcが「③人口約10万人の地方都市の駅前のバス停」となります。
この問題以外にも、「昨今シャッター通り商店街が増えている理由を答えよ」「朝焼けが綺麗だと雨が降りやすく、夕焼けが綺麗だと雨が降りにくい理由を述べよ」「京都と奈良以外に、台湾人が日本旅行で観光する場所と、その理由を述べよ」といった入試問題が出題されています。
また、日常の風景から考えさせるのは、東大の学内の授業も一緒です。「日本の映画やアニメではよく東京タワーが壊されるが、アメリカの作品ではタイムズスクエアは壊されない。ここからわかる日本とアメリカの価値観の違いとは?」「渋谷駅の構造から学べるシステム工学とは?」など、日常生活から学びにつなげるような授業が多く展開されています。
頭が良いというのは、こういう「日常生活のさまざまなところから学ぶ『目』を持っていること」を言うのです。
日常のあらゆることに「質問」してみる
では、その目を養うためにはどうすればいいのでしょうか? その答えは、非常にシンプルです。「ある行為」を常に行えばいいのです。
それは、「質問」です。いろいろな物事に疑問を持ち、その答えを探そうと常に考えれば、自然と「目が良くなる」のです。
例えば僕は、東大に入って一番驚いた出来事があります。それは、授業が終わった後に、みんな教授に質問に行くことでした。
「ここがわからなかったです!」「ここって、教授はどういう意見をお持ちなんですか?」などと質問するために、多くの学生が教授の前に並んでいるのです。
彼ら彼女らは、東大に入るほど頭の良い人たちです。そんな、わからないところなんてなさそうな人たちなのに、疑問を持って質問に行っているんです。翻って、偏差値35だったころの自分を思い返してみると、「へー、そうなんだー」と何の疑問も抱かずに、質問になんて行ったことがありませんでした。
一見、質問なんてしないほうが頭が良さそうな感じがするんですが、まったくそんなことはないのです。頭の良い人ほど、物事に対して「なぜ?」を考える能力が高いのです。逆に言えば、普段から、あるいは小さいころから「なぜ?」と考え続けている人こそが、頭が良い人になれるのではないでしょうか。
逆に、何の疑問も持たずに、ただ勉強していても成績は上がりません。かつての僕が、まさにこのタイプでした。一例を挙げると、単純な暗記ですら、「目が悪い」とうまくいかない場合が多いです。
たとえば「submarine」という英単語は、「潜水艦」という意味です。これ、そのまま英単語として暗記する人が多いと思いますが、日常生活に目を向けて「考えて」いる人なら、暗記なんて1つもいらずに覚えられます。
まず、「marine」は海という意味です。そこに「sub」とついているわけですが、みなさん「サブ」ってどういう意味か知っていますか?
日常生活でも、サブタイトルとかサブキャプテンとか言いますよね。サブというのは「下」という意味です。メインタイトルの「下」がサブタイトル、メインのキャプテンの「下」の役職をサブキャプテンと言います。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら