たとえばカメラで写真を撮ったとき、ピントが合っていなくてぼやけて見えることがありますよね? 同じ景色でも、ピントが合っていて解像度が高い写真もあれば、ピンぼけしている写真もある。
これと同じように、同じものを見ても、頭の良い人とそうでない人とでは、「見えている世界」がぜんぜん違うんです。
東大生は「日常のあらゆるところ」で勉強している
東大生の勉強は、机の上だけでは完結しません。普段、何気ない日常生活を送る中で、そこから学びにつなげるような思考をしています。
たとえば東大生の友達と街を歩いていると、「なんでコンビニはこんなに近接して立地しているんだろう?」「promiseは約束って意味の英単語だけど、それがどうして金融の会社の名前に使われているんだろう?」なんて具合に、日常のささいなことに疑問を持って、学びに活かせるような話をしています。
趣味の話をしているときですら、勉強しています。
たとえば最近、King Gnuというバンドの「白日」という曲が流行しましたが、みなさんは「白日」という言葉の意味を知っていますか? なんであの曲は「白日」というのでしょうか?
実は「白日」というのは、「青天白日」という言葉があるとおり、「無実の罪」とか「清廉潔白で罪を犯していない状態」のことを言います。「自分は白日の身の上でいられるだろうか? 時には誰かを知らず知らずのうちに傷つけているかもしれない……」というのがあの曲のメッセージであり、だからこそ「白日」が曲の名前になっているのです。この「青天白日」という言葉は、入試でもたびたび問題になるような語彙です。
このように、同じ日常生活を送っているのに、同じ趣味を持っているかもしれないのに、学びにつながる「目」を持っている人もいれば、そうでない人もいます。この「目」を持っていないがために、「頭が悪い」という状態になってしまうことだってあるのです。
そして東大は、こういう「目」を持っているかどうかを問う入試問題を出題しています。
たとえばこれは、2005年の東大入試に出された「全国4地点のバスや飛行機の時刻表が、どれがどれか答えなさい」という問題です。普段から自分が乗っているバスや電車、飛行機に目を配っていれば小学生でも解けますし、そうでなければちゃんと勉強している高校3年生でも解くことができません。
次の表は、日本国内の4地点における時刻表を示したものである。
②東京郊外の住宅団地のバス停(最寄りの駅前行き)
③人口約10万人の地方都市の駅前のバス停
④人口約5000人の山間部の村のバス停
※2005 年 地理 第2問 一部改変
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