肥沃な市場を耕すクボタ、アジア販売網を拡充へ《NEWS@もっと!関西》

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肥沃な市場を耕すクボタ、アジア販売網を拡充へ《NEWS@もっと!関西》

クボタは、重点攻略地域と位置づけるアジアの販売網を拡大する。2010年内に、中国の農業機械販売店(ディーラー)を現状の55店から90店に、同じくタイのディーラーを現状の208店から220店に増やす計画。世界のコメ生産量のおよそ9割を占めるアジア深耕に照準を定め、同市場での売上高を08年度の1270億円から13年度には3000億円に引き上げる狙いだ。

中国ではこれまでコンバインや田植え機を展開してきたが、今春にはいよいよ、クボタの“代名詞”であるトラクターを投入する。現在、70馬力と95馬力で型式認定を申請中。クボタはコンバインで70%、田植え機で45%の現地販売シェアを誇るが、それらよりも圧倒的にマーケットが広いトラクターについては現地メーカーが低価格製品を武器に市場を席巻しているため、ほとんど販売実績がなかった。

ところが、中国は急速に伸展する工業化の影響で、農作業の担い手が減少中。作業効率をアップする必要性が高まっているため、馬力があり耐久性に優れる日本製品に農業従事者の注目が高まっているようだ。

富田哲司専務(機械海外本部長)は「いよいよクボタが出てきますか、との声を(農業従事者から)聞いている」と話す。トラクター投入に対する現地の反応は上々だと言う。販売網の拡充により、この主力製品を着実に広める算段である。

一方のタイでは、販売網拡大に合わせて、農業従事者への機械事業説明会を10年内に1000回実施する計画。これにより「村単位」でのコンバインや田植え機の普及を促進する狙いだ。また、生産面の強化にも乗り出す。コンバインはこれまで、中国で生産したものを現地へ輸入していたが、コンバイン専用の新工場を建設し(11年1月の稼働計画)、13年にも1万3000台規模の現地生産を目指す。

アジアにおける製品別の販売計画は、トラクターが08年度実績4万台に対し13年度9万70000台、コンバインが同7700台に対し2万6000台、田植え機が1万3300台に対し3万8000台--と、それぞれ倍以上の拡販を描く。

主力地域であった日本や北米の農業機械需要が頭打ち傾向にある中、今後の成長戦略にはアジア深耕が不可欠。クボタは一気にアクセルを踏み込む。
(梅咲 恵司=東洋経済オンライン)

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