コロナ下での家計の電気代負担をどう考えるか 4~5月は2ケタ増、使用量が多いほど割高に

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――在宅勤務や営業自粛の影響がはっきり見られるということですね。

家庭にいる時間が長くなり、空調や照明で電力を多く使っているためではないか。

――家計の負担はけっこう大きくなったと考えられますね。

エネルギーの使用(量)に応じてかかる従量料金の部分が増えているので、負担は増えていると思う。メニューにもよるが、電力の場合、(使用量の段階に応じて単価が増加する)三段料金制を採用している家庭が多いため、使用量が多いほど割高になる傾向がある。

在宅勤務を継続すると答えた企業が7割を占めていると報じられており、今後も同じような傾向が続くのではないか。

家庭用会員サイトで使用量を比較

――エネルギー企業としては、エネルギー消費の姿が変化していくことに合わせて顧客対応を見直す必要があります。

さんとう・かなめ/1967年生まれ。神戸大学工学部修士課程修了。大阪ガス入社。エネルギー事業部・電力チームマネージャー、同事業部・京滋産業エネルギー営業部長、CDエナジーダイレクト副社長などを経て、2020年4月より現職(撮影:梅谷秀司)

使用量の増加は家庭での困り事の1つだと認識している。このことについては当社の若手社員が早い時期に気づき、何か手を打つべきだと問題提起してくれた。

社内で検討した結果、「在宅応援キャンペーン」と題して(中部電力が創設したポイントシステムを活用した)「カテエネポイント」を進呈することを決め、4月30日に発表した。

具体的には、当社の電力またはガスの家庭用料金メニューの契約者で、6月末時点で家庭用会員サイト「カテエネ」に契約情報を登録している人が対象となる。

カテエネポイント1000ポイント(1000円分相当)を進呈する。TポイントやWAONポイントなどとも交換が可能なうえ、7月1日からはカテエネポイントを電気料金に充当できるようにした。

コロナ後の「新常態」とどのように向き合っていくべきなのか。「週刊東洋経済プラス」では、経営者やスペシャリストのインタビューを連載中です。(画像をクリックすると一覧ページにジャンプします)

カテエネサイトでは、電力・ガスの使用量について、前年同月の数字と比較したり、似たような家庭の平均値と比べることができる。

電気料金の支払い額に応じて毎月カテエネポイントがたまるほか、アンケート企画に協力すると、別途ポイントを受け取れる。今後も内容を充実させていき、情報提供のプラットフォームにしていきたい。

「週刊東洋経済プラス」にインタビュー拡大版を掲載しています。
岡田 広行 東洋経済 解説部コラムニスト

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おかだ ひろゆき / Hiroyuki Okada

1966年10月生まれ。早稲田大学政治経済学部政治学科卒。1990年、東洋経済新報社入社。産業部、『会社四季報』編集部、『週刊東洋経済』編集部、企業情報部などを経て、現在、解説部コラムニスト。電力・ガス業界を担当し、エネルギー・環境問題について執筆するほか、2011年3月の東日本大震災発生以来、被災地の取材も続けている。著書に『被災弱者』(岩波新書)

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