なぜこんな高さに?「高すぎる」線路と駅の謎 上野東京ラインや五反田駅、それぞれに理由

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しかし1983年、東北新幹線の工事のためにこの路線の敷地を使用することになり、線路は途切れることになった。地下の上野駅から地上の東京駅に向かう高架などの用地にするため、線路を撤去して工事を行った。

神田駅付近の高架。下を新幹線、上を上野東京ラインが走っている(筆者撮影)

この際、新幹線の高架にはある工夫がなされた。将来、新幹線の上に上野―東京間の在来線を通すことを見越して、高架の直上にもう1つ高架線を構築しても対応できる構造にしておいたのだ。

具体化はしていなかったものの、当時から上野と東京を結ぶ「東北縦貫線」の計画は存在した。東北・高崎・常磐各線のターミナルである上野から東京方面へ乗り換える利用者が多く、上野からの山手線、京浜東北線の混雑が問題になっていた。

高さは約22mもある

この区間の混雑を解消するため、上野と東京の間に列車線を復活させる計画が本格化。2000年、運輸省(当時)の運輸政策審議会が東京圏の今後の鉄道整備方針についてまとめた答申(運輸政策審議会答申第18号)で、上野―東京間の「JR東北線、高崎線および常磐線の延伸」は、「目標年次(2015年度)までに開業することが適当な路線」に位置づけられた。

上野東京ラインの高い高架を支える頑丈な構造物(筆者撮影)

建設にあたっては地元の反対運動などもあった。日照権や騒音の問題から、地下化して総武快速線に接続する案も提案されたが、スペースの問題で難しいとJR側は反対した。また、日照権の確保のために単線での開業も提案されたが、結果的には現在見られる形の高架線が建設された。

工事は2008年に着工した。神田エリアの狭いスペースでも大規模に用地を買収せず新しい線路を造るため、高架は新幹線の直上に建設。その結果、とくに高いところではビルの6階から7階に相当する地上約22mを走ることになった。外から見ると防音壁によって圧迫感があるものの、これは地元への配慮から必要とされるものである。

また、上野―東京間には秋葉原に停車させる計画もあったものの、スペースの関係などで実現しなかった。そもそも秋葉原駅のあたりから勾配区間が始まっているため、列車を停車させるには不適当な場所だったかもしれない。

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