「株価は急落する」と決めつける人に欠けた視点 7月以降に「コロナ禍無視の反動」は来るのか?

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筆者は、元々「グローバルマクロストラテジー」と業界では呼ばれる、経済や政治などの動向を世界的に分析して、各国の市場全般を分析する仕事をしており、日本株やアメリカ株も個別銘柄ではなく全体的な動向を考察している。このため、これまで述べてきたように、全般的な(マクロ的な)観点で、日本株の先行きを展望している。

半導体・ハイテク関連株の全体相場への影響を注視

しかし、株価指数は個々の銘柄の株価の平均値であって、個別物色の動向が極めて重要だという点は理解している。そうした個別の(ミクロ的な)観点で、先々週から先週にかけて筆者が注目していたのは、半導体関連株やハイテク株だ。これらが株式市況全般に対して、優位になったり劣位になったりしていることと、その間、他のセクターがどう推移しているかという点に注意を払っていた。

アメリカでは、このところ長い間、物色がその半導体関連株やハイテク株に集中していた。半導体関連株の株価指数であるSOX指数を、S&P500指数と比較するため、「SOX÷S&P500」の比率を計算してみると、2008年から2016年辺りは0.3倍近辺で上下していたものが、その後上昇基調に転じた。だが、そこからいったん2019年夏場まで0.5倍を挟んでのボックス圏となり、それ以降は再度上昇基調を強めて、週平均ベースでは今年の6月26日には0.64倍と、近年の最高値を記録した。

同様に、いわゆる「GAFA」など大型ハイテク株を含むナスダック指数について、同様にS&P500との比率を計算すると、こちらは長期的に上昇基調をずっとたどっていたが、昨年9月27日に2.68倍と、最近では最後の2.7倍割れをみせたあと、一気に上昇が加速し、今年7月10日は3.33倍に達していた。

こうした半導体株並びにハイテク株の物色は、こうした比率の上昇が過熱感を示していたと言える。また、積極的に半導体やハイテクセクターが買われているというよりも、コロナ禍で他の多くの業種の銘柄を買うことができないため、仕方なく少しでも希望が残る分野の株式に投資しようといった「消去法的な買い」も感じられた。したがって、半導体・ハイテク分野の株価が過熱感から反落に転じると、他の業種の株価が上がらず、相場全体として短期的に崩れるのではないか、という懸念を、筆者は抱いていた。

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