令和2年7月豪雨に見た災害級の雨が多発する訳 東京19日続く雨、梅雨前線停滞するメカニズム
昨年は、東京都を含む13都県で大雨特別警報が発表され、長野県の千曲川が決壊した「令和元年東日本台風(台風19号)」。2年前は「平成30年7月豪雨(通称:西日本豪雨)」、3年前は「平成29年九州北部豪雨」など、毎年災害が発生しています。
海面水温が豪雨に影響しているのは、「令和2年7月豪雨」に限ったことではなさそうです。
1900年代からの約100年間、日本近海の海面水温は上昇傾向にあります。
海面水温が高いと水蒸気量が多くなり、前線の活動が活発になったり、台風が発達しやすくなったりします。水蒸気は雨のもとになるので、水蒸気量が多いほど降水量が多くなりやすいです。
したがって、近年豪雨が増えている理由の1つは、海面水温が高くなっていることだと考えられます。
日本近海の上昇率は世界全体の2倍以上
そして、海面水温は世界の中でも特に日本近海で上昇しています。
2019年までの約100年間の上昇率は、日本海中部の上昇率が最も高い+1.72℃、日本近海の全海域平均は+1.14℃です。
同じ期間の海面水温の上昇率は、世界全体が+0.55℃、北太平洋全体が+0.53℃となっていて、日本近海の上昇率は世界全体の2倍以上です。
「令和2年7月豪雨」は梅雨前線による豪雨でしたが、今後は台風による災害のおそれもあります。
これまでは日本の南で発生した台風が北上して日本に接近することが多かったですが、近年は日本付近で台風が発生したり、日本に上陸する直前まで発達したりしながら進んでくる印象があります。日本近海の海面水温が高いことにより、台風のエネルギー源となる水蒸気量が多いためでしょう。
ハザードマップを確認したり、防災グッズを用意したり、大雨警戒レベルや避難情報が通知されるアプリを入れたり、これまで以上に私たち一人ひとりが自助や共助を考える必要があるでしょう。
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