飲み会もあるドイツのスポーツクラブ 第5回 いじめ・体罰と逆方向に向かう理由

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ビール祭りに集まるスポーツクラブ

もっともアルコールに関してはドイツも褒められたものではない。パーティでウォッカなどの度数の高いものを多量に飲んで、病院に運ばれる若者も多く、近年問題になっている。ただ、スポーツに関していえば、ドイツ・スポーツクラブの飲み会は日本のものとちょっと違う。

 例えば筆者が住んでいるエアランゲン市(人口10万人、バイエルン州)では毎年ビール祭りが行われる。規模としては比較的大きいが、ミュンヘンのオクトーバーフェストのように観光化していない分、まだまだ「地元の祭り」という雰囲気が強い。

 市内のあるスポーツクラブは、毎年ビール祭りの2日目に集まる。強制ではないので全員揃うわけではない。しかし、仕事や育児などの事情でしばらく練習に参加できなかったメンバーや、別の町に引っ越してしまった人などもこの機会に旧交を温めにやってくる。中には10代のメンバーたちもやってくる。法的には16歳からビールが飲めるので、10代といっても大人のメンバーと一緒にジョッキーを傾ける者もいる。またメンバーになって日の浅い人でも、参加すると一気に「仲間」という感じが強まるような側面がある。

 会場には「ビールベンチ」と呼ばれる5人がけの背もたれのないベンチに座り、縦長のテーブルを囲む。もちろん、「お酌」はないが、何度も乾杯し、バンド演奏に耳を傾け、盛り上がってくると一緒に歌い、そして踊るのだ。

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