「半沢直樹」続編、視聴率40%超え再現の超期待 7年ぶりいよいよ始動、日本の救世主となるか

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また、第2話以降、右肩上がりの世帯視聴率を獲得するのは、「よほど話題性のある仕掛けを続けていかない限り難しい」とみられているのも事実。予告映像に香川さんが演じる大和田が「施されたら施し返す。恩返しです!」というセリフがありますが、このような話題性を伴う仕掛けをどう作っていくのか、制作陣の腕が問われるでしょう。

前作の42.2%は「平成ドラマ1位」「歴代連ドラ3位」の偉大過ぎる数字であるうえに、その後に録画視聴やネット視聴が定番化したこともあって、キャストやスタッフも「さすがにそこまでは難しいかもしれないと思っている」とも聞きました。

ただ、もし前作の数字に届かなかったとしても、前作以降の連ドラトップである2014年の「ドクターX ~外科医・大門未知子~」(テレビ朝日系)第3シリーズ最終話27.4%、令和トップの「なつぞら」(NHK)第139話23.8%は現実的な目標。早ければ第1話で、「前作以降トップ」「令和ドラマトップ」の称号を得る可能性も高いのです。

女性視聴者獲得のPRも抜かりなし

21世紀に入ってから「半沢直樹」ほど幅広い視聴者層に見られ、話題となった作品はありません。そのため続編が放送されるだけで喜びの声を挙げる人は多く、批判する人ですら「文句を言いながら見てしまう」という人が多いはずです。それほどの大ヒット作だからこそTBSはこれまで再放送や配信をせず、来たる続編に向けて大切に扱い続けてきました。だからこそ「2020年は半沢直樹イヤー」というコピーを掲げ、半年以上に渡る重点プロモーションを行っているのです。

もともとビジネスドラマは世帯視聴率を獲得しづらいジャンルであり、特に銀行は男社会の物語だけに「女性視聴者の獲得が難しい」という懸念がありました。しかし、性別を超えた痛快なストーリーと魅力的な俳優たちをそろえ、さらに夫婦のシーンを効果的に挿入することで女性目線を追加するなど、各方面にわたるプロデュースが見事に結実。続編でも制作発表会見を「女性限定 自宅でリモート参加」で行うなど、女性視聴者層の確保に抜かりはなく、こうしたスタッフの妥協なき仕事ぶりも「半沢直樹」の凄さなのです。

今あらためて前作が放送されたころを振り返ると、東日本大震災による重苦しいムードをぬぐい去れず、テレビドラマもかつての勢いを失う中、「半沢直樹」が救世主のような存在となり日本中が沸きました。くしくも今年はコロナ禍によって7年前以上の重苦しいムードで覆われているだけに、見てスカッとした気持ちになれる「半沢直樹」が日本人の心を打つ可能性は高いでしょう。

木村 隆志 コラムニスト、人間関係コンサルタント、テレビ解説者

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きむら たかし / Takashi Kimura

テレビ、ドラマ、タレントを専門テーマに、メディア出演やコラム執筆を重ねるほか、取材歴2000人超のタレント専門インタビュアーとしても活動。さらに、独自のコミュニケーション理論をベースにした人間関係コンサルタントとして、1万人超の対人相談に乗っている。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』(TAC出版)など。

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