旅行会社や宿泊予約サイトでもGo Toの特設サイトを開設し、旅行需要の取り込みに力を入れているが、Go Toの事務局に JTBなどの旅行会社も名を連ねたことも7月22日開始に前倒しできた要因だろう。
今後、考えなければならないのが、Go Toの適用除外となった東京都民や東京の宿泊施設、観光施設等に対するサポートだ。まず、都民および地方から東京へGo Toの割引があることを前提に旅行予約した人がキャンセルする場合にかかるキャンセル料の負担は誰になるのかである。
飛行機とホテルがセットになったパッケージツアーをキャンセルする場合、20日前から8日前までは20%、7日前から2日前までは30%のキャンセル料が必要となる。
例えば4連休初日の7月23日に出発する2泊3日の沖縄旅行で、旅行代金8万円のケースを想定してみよう。キャンセル料は2万4000円、本来は後日申請することでGo Toで35%分の2万8000円が戻される予定が、旅行を強行する場合にはこの2万8000円が戻らなくなり、中止した場合でも2万4000円の損になってしまう。どちらにしても損することになる。
一時的に対象外となる都民に対しての配慮も必要
この点については、観光庁が7月10日(金)に急遽22日(水)から実施することを明らかにし、7月26日までの予約については旅行後に事務局へ申請することで戻されるというルールを公表したことで、予約の急増につながった。
感染者が増えたことで東京発着を除外した点は理解できるが、感染者が増えた場合のリスクについての説明をしていない以上、利用者にキャンセル料の負担を求めるのは酷だろう。何らかの対応が必要であるなか、キャンセル料を国が負担することはないことを17日午前の会見で赤羽国土交通大臣は明らかにした。22日以降の旅行がGo Toの対象となるという発表をしておきながら一転、対象外にしたことの責任を放棄する格好で、国の準備不足に旅行者が振り回される形になってしまった。
Go Toの本来の趣旨は、政府が日本国民に対して安心して旅行に行けるような状況になった段階で全国規模での補助をすることで国内旅行を促進し、観光業をサポートするというものだ。
除外となった東京都民に対し、感染者が減少した段階でGo Toの割引を予算が少なくなってしまった際に優先的に受けられるようにするなどの対策も必要である。開始を急いだことによる見切り発車をしたことで、国民も受け入れ側ともに混乱した状況がしばらく続くことになりそうだ。
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