エタノール・ハイブリッド車こそ本命だ--『ゼフィラム』を書いた楡周平氏(作家)に聞く


--それで、メガ企業が担い手になるストーリーに。

そう、担い手は企業しかない。いま企業はさかんに国境を超えてビジネスをものにするために組織を展開し、活動している。企業はそれぞれの活動する国での規制は受けるが、組織としてはトップの決断ですべてが決まる。組織のトップがうちの会社は環境を守るためにこうすると決断すれば、問題解決できる。つまり、環境問題にしても、解決するのは国ではない。企業が決断したほうが手っ取り早い。

--この本では電気自動車に懐疑的な展開です。

いましきりにこれからは電気自動車といわれているが、電気自動車はトータルで見て環境にほんとうにやさしいのだろうか。

CO2の排出量の中で発電の占める割合は世界的に断トツに多い。環境負荷の高い電気をいかに使わないか考えるべきであって、そうであるにもかかわらず、新規に大量に使うものをこれからつくるというのはそもそも理にかなっていない。排気ガスはなくなるかもしれないが、その電気を得るためにより多くのCO2を排出する。それはまったく理屈に合わない。

--『再生巨流』『ラスト ワン マイル』に続く、壮大なビジネスモデル小説ですね。

サラリーマンを15年やった。そのうちほぼ半分は大プロジェクトにかかわり、アメリカ企業のマネジメント・コントロールのありようを徹底的に叩き込まれた。

(聞き手・本誌:塚田紀史 =週刊東洋経済)

にれ・しゅうへい
1957年生まれ。慶應義塾大学大学院修了。96年米系企業在職中に執筆した『Cの福音』でデビュー、ベストセラーとなる。翌年から作家専業となり、浅倉恭介シリーズ(全6冊)のほか、幅広い作風に定評。

『ゼフィラム』 朝日新聞出版 1680円

  

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