知らないと損をする「副業」を成功に導く心得 会社任せにできない契約や税金、社会保険

✎ 1〜 ✎ 41 ✎ 42 ✎ 43 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

副業・兼業をやることに決めたら、まず就業規則を確認しましょう。副業・兼業が認められている場合でも、申告のみでよいのか、許可制なのかなど、定められたとおりの手続きをきちんと行うことが大切です。会社によっては一定以上の残業時間がある場合はNGなど、「こういった場合は不可」と定めていることもあります。

このような社内のルールを無視したり、「会社に内緒でやってしまおう」と隠し事をすることは、決してお勧めできません。 就業規則に違反した場合、懲戒処分が課せられることもあります。その点を甘く見ずに、やると決めたら、むしろ堂々とやるほうが精神的にもスッキリするのではないでしょうか。

企業側の副業に際しての懸念点には、健康管理への対応はもちろん、職務専念義務や秘密保持義務、競業避止義務をどう確保するかといったことが挙げられます。副業・兼業に時間や気を取られすぎて、本業の職務に専念できない、といったことがあっては論外です。

逆にいえば、こうした点をクリアし、本業での生産性を高めて、より良い企画やビジネスの提案、外部とのネットワークなどを構築することができれば、本人にとっても会社にとってもWin-Winな関係を築くことができます。

これまでは残業が多かったり、通勤で体力的に疲れてしまったり……と、物理的に難しい側面がありました。それがコロナ禍で残業は減り、在宅勤務であれば隙間時間をうまく活用することで、副業・兼業がしやすくなったのです。個人にとって副業・兼業は、これまでのキャリアやスキルを活かしてさまざまな仕事を請け負うことができ、収入増につながるばかりでなく経験や人脈も広がり、新たな知見も得られるチャンスと言えます。

副業で働くときの契約内容に注意

副業・兼業を行う場合に最も重要なのが、どのような契約で働くことになるか、自身でしっかりと理解しておくことです。というのも、副業・兼業として働く場合、雇用契約ばかりでなく、業務委託契約を結ぶケースも多いからです。

副業・兼業も雇用契約を結んだ場合、労働基準法において、「労働時間は、事業場を異にする場合おいても、労働時間に関する規定の適用については通算する」と規定されており、これは事業主が異なる場合も含まれます。そうなると企業側は、従業員の本業と副業・兼業先での労働時間をそれぞれに把握する必要が生じます。ですが、本人から自己申告してもらい適切に管理するのは、企業として難しい一面があります。

また、労働者の副業・兼業先での働き方に関する企業の安全配慮義務について、現在のところ明確な司法判断は示されていませんが、使用者は労働契約法第5条の安全配慮義務を意識しています。このような状況を考慮し、企業側は従業員が副業・兼業をする、もしくは副業・兼業人材を受け入れる場合、雇用契約よりも業務委託契約のほうが好ましいと考える傾向があるのです。

次ページ契約内容の確認は自己責任、税金面も注意
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事