菅義偉「コロナ第2波、かなり準備はできている」 官房長官が語る地方、縦割り行政、経済、五輪
塩田:コロナ危機対策も含めて、今後の見通しをお聞きします。もしコロナの第2波、第3波に見舞われたら、どう対応しますか。
菅:その点はかなり準備できていると思っています。今回、ある意味でいい経験をした。感染をゼロにすることはできないが、大きな波が来ないようにする。感染リスクをコントロールしながら、段階的に社会経済活動のレベルを引き上げていくのが基本方針です。さらに100の業種団体について、感染拡大防止の注意事項、営業再開などのガイドラインを作りました。こういう点に注意して、しっかり対応していただければ、と思っています。
そうやって大きな波の発生を防ぎ、その間にワクチンや治療薬ができてくれば、そこで終わりでしょう。そういう中で、緊急事態宣言の際に講じた外出自粛の要請などは国民生活に大きな影響があります。経済活動も回していかなければならない。3つの密の回避など、新しい生活様式の定着などを通じて、感染拡大を抑えながら、自治体や業界と連携して経済活動のレベルを引き上げていく。
コロナ対応による財政への影響は?
塩田:コロナ対応で相当、財政出動を行いました。今後の財政への影響については。
菅:経済あっての財政ですから、政権発足以来、ずっと経済再生最優先で取り組んできました。今後、感染を収めるとともに、まずは経済を元に戻していくことが大事です。
そのうえで、今後はこれまでよりも強い経済を作っていかなければならない。その際に、例えばマスクも自動車の部品の根幹部も、ほとんど中国で作っているという問題があります。特定の国に依存せず、今後は幹の部分の生産拠点を国内に戻すことが大事だと、みんな身に染みてわかったと思います。必要なものについて、国内回帰できるようにするために補助金を出すといったことが重要になってくると思いますね。
加えて、日本にはまだ企業に現預金が240兆円もある。個人金融資産も1900兆円あります。これを投資に振り向けて、成長につなげていかなければならない。そのために個人向けにNISA(ニーサ)を推し進めてきました。
塩田:少額投資非課税制度ですね。株式や投資信託への投資による売却益と配当への税率が一定の範囲で非課税となります。
菅:貯蓄から投資への転換はずっと言われてきたことですが、実現できていません。NISAを大幅に拡充しましたので、ぜひ日本経済の成長にしっかり役立たせたいと思いますね。
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