■<北陸新幹線>黒部宇奈月温泉―富山間
この区間は、在来線だと黒部宇奈月温泉駅に隣接する新黒部から富山地方鉄道で新魚津まで530円、魚津からあいの風とやま鉄道で富山まで570円の合計1100円。魚津で乗り換えずに富山地方鉄道にそのまま乗って、富山駅に隣接する電鉄富山駅まで行く方法もある。これだと1200円だ。所要時間は乗り継ぎにもよるが1時間はかかる。
だが、新幹線だと1駅でたった12分。乗車券590円、特急料金880円の合計1470円で、差額は370円だ。
■<東海道新幹線>米原―岐阜羽島間
東海道新幹線の駅は新富士を除いて鉄道でアクセスできるが、JR在来線が乗り入れておらず私鉄でしか行けないのが岐阜羽島だ。
米原―岐阜羽島間は新幹線だと1駅。だが、在来線で行くとなると米原から岐阜までJRで860円、岐阜駅に隣接する名鉄岐阜駅から名古屋鉄道(名鉄)に乗り換え、岐阜羽島駅に隣接する新羽島まで440円、合計1300円だ。
これに対し、新幹線は乗車券860円、特急料金870円の計1730円。差額430円で約1時間15分の短縮だ!
並行在来線分離の影響が…
■<九州新幹線>新水俣―川内間
九州新幹線は開業時に八代―川内間を並行在来線としてJRから経営分離し、第三セクターの肥薩おれんじ鉄道となった。
新水俣―川内間は、肥薩おれんじ鉄道だと運賃だけで1940円。一方、新幹線は乗車券950円、特急料金1260円の合計2210円で、差額270円だけで所要時間は約1時間半も短縮できる。だが、これは経営分離によって在来線の運賃がJR時代と比べて大幅に上がってしまった結果である。
■<九州新幹線>出水―川内間
この区間も肥薩おれんじ鉄道だと運賃だけで1480円だが、新幹線は乗車券660円、特急料金1260円の合計1920円だ。差額440円で約50分短縮になる。これも在来線の運賃が大幅に上がったためだ。なお、肥薩おれんじ鉄道は7月4日の豪雨で甚大な被害を受け、八代―出水間が不通となっている。
■<番外編>企画切符を使ってみよう
最後に、企画切符によりわずかな差額追加だけで新幹線に乗れる例を紹介する。JR東海は「JR名古屋⇔豊橋カルテットきっぷ」という名称で、名古屋市内と豊橋ゾーン(豊橋・二川・豊川)間の割引切符を発売している。値段は4枚セットで3560円だ。この切符と組み合わせて使える新幹線変更券があり、片道平日は+520円、土休日は+400円で豊橋―名古屋間の新幹線自由席が利用できる。
いかがだったであろうか。今回は普通乗車券との差額500円前後で新幹線を利用できる区間を紹介したが、「青春18きっぷ」利用時の「新幹線ワープ」(一部区間だけ通常の運賃・料金を支払ってショートカットする行為)の参考にもなるのではないか。18きっぷは一部の並行在来線三セク鉄道では通過利用でも使えないため、こういった区間でどのみち乗車券を買うなら、わずかな差額で新幹線を利用する価値は大いにあるだろう。
必ずしもケチケチ一辺倒がいいとは限らないのだ。
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