青春18きっぷ、魅力は「節約」よりも「自由度」だ 途中下車すると、旅がずっと楽しくなる
青春18きっぷの季節がやってきた。駅には、少し切なくなるようなキャッチコピーと共に、旅情を誘う販促ポスターが貼り出され、ふと足を止めて見入ってしまう。その写真の風景を見て、ああ日本にはこんな場所があるんだなぁ、と改めて気づく人も多いかもしれない。
青春18きっぷとは、春、夏、冬に年齢を問わず、一定期間内を1万1850円で任意の5日間、日本全国のJR線の普通・快速列車を自由に乗り降りできる特別企画乗車券である(特例や留意事項など多々あるが、ここでは詳細な説明は省く)。本稿が公開される頃は、ちょうど夏の利用期間(2019年7月20日(土)~2019年9月10日(火)、発売は8月31日まで)である。
私自身、発売期間になると、これといって旅の予定も考えていないのに毎回購入してどこかに出かけている。手段と目的が逆転してしまったようにも思えるが、季節の楽しみにしている。
重視すべきは節約より「自由」
さて、「青春18きっぷを活用しよう!」というと、どのようなイメージが浮かぶだろうか。
1日当たり2370円で全国のJRに乗り放題であるため、節約旅行にぴったりだ。友人との会話でも「学生時代、お金がなかったから18きっぷで故郷に帰ったものだけど、いやぁ、腰が痛くなったよ」などと、そのような使い方をする人は多い。
この安さは大変魅力である。それがために、ギチギチの計画を立てた結果、疲れ果ててしまい、もう二度と経験したくない、というようなこともよく聞く。
ある程度利用してきた結果、18きっぷは「節約」ではなく、「自由」という観点で捉えたほうがより楽しい旅ができる、という考えに至っている。
「自由」ということはどういうことか。通常の切符は出発地と目的地が決まっている。長距離切符であれば途中下車はできるものの、後戻りはできないし、行き先の変更は所定の手続きが必要になる。その点、18きっぷはその時々の気まぐれで、好き勝手に行き先を変えることができる。明日は西に進もうと思っていたけど、気が変わったから北に向かおう、なんてことをしてもよい。
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