在宅勤務で「孤独に悩む人」「元気になる人」の差 今こそ見直したい「フィードバックの有用性」
この点で私は彼に共感します。私が新卒で入ったリクルートは「フィードバックの文化」を呼ばれるほど、「お前ってこうだよね」と、他者にどんどん言及する職場でした。私は心の弱い人間でしたので、実を言うと、人の心に土足でズカズカと入り込む文化が最初は嫌で仕方ありませんでした。
自分の中に信念があっても、上の人からフィードバックを受けると、ブレてしまい悩みます。そして、そこまで言うならと上司や先輩のフィードバック通りにやって失敗し、やっぱり自分の思う通りにやればよかったと後悔することも多くありました。
まれに素晴らしいアドバイスもありましたが、多くのフィードバックは私にとってはむしろ障害だったのかもしれません。
今こそ見直したい「フィードバック文化」
決してフィードバックすることや、それを受け入れることを全否定しているわけではありません。むしろ、人間はフィードバックを受けなければ成長できない生き物です。
しかし中には、フィードバックよりも、他者の観察や自己反省を通じて成長するタイプの人材がいることも事実です。そうした人材は、信頼関係が十分でないような他者からのストレートなフィードバックを本気で受け止め、傷ついたり、それが足かせになってしまう可能性もあります。つまり、フィードバックが「ノイズ」となってしまうわけです。テレワークだとノイズが減るため、前述の20代男性のようなタイプはいきいきとするのではないでしょうか。
もしテレワーク導入後、いきいきとする社員が増えたのなら、無理に以前のような働き方に戻さないほうが会社にとってもメリットが大きいのかもしれません。
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