中国が「電気自動車」をめぐる政策を見直す事情

低燃費車とされるHVやMHEVなどの車種を優遇

6月22日に発表された修正版の「ダブルクレジット政策」では、乗用車生産・輸入台数に占める「NEVクレジット」の比率(2020年に12%)を2021~2023年に毎年2%ずつ増やす。ただし、新型コロナウイルスの影響でNEV生産が遅れたことに考慮し、メーカーが2020年の「NEVクレジット」不足分を2021年の実績と合わせて精算することが可能となる。

EV生産で得られる「NEVクレジット」は現在の最大5ポイントから3.4ポイントに、プラグインハイブリッド車(PHV)も同2ポイントから1.6ポイントに引き下げられた。航続距離150km未満の車種が一律1ポイント(同100km満車種が対象外)となり、車載電池の重量やエネルギー密度、車両の電力消費効率などの性能評価に基づく、NEVポイントとクレジットの計算が厳格化する。

これにより、メーカー各社にNEV生産量の増加が求められる一方、NEVクレジットの売買単価は今年に3万~4万円に達する見通しだ。

低燃費車の実績を評価する意図

同修正版では、燃費性能がCAFC規制をクリアできる内燃機関車が「低燃費車」と定義され、それに対するNEVクレジット算出を優遇するとしている。具体的には2021年に低燃費車生産台数の半分(2022年に0.3倍、2023年に0.2倍)に対し、NEVクレジット義務が課される。

例えば、乗用車メーカーが2021年にガソリン車を100万台生産する場合、14万クレジットを確保しなければならない。航続距離 500kmのEVを1台生産すると3.2クレジットが得られるため、4.4万台生産すれば、14万クレジットになり、規制をクリアできる。

しかし「低燃費車」を100万台生産する場合、EVを2.2万台生産すれば規制をクリアする。さらに、2022年、2023年にはガソリン車メーカーがそれぞれ5万台、5.6万台のEV生産義務を抱えるのに対し、低燃費車メーカーなら上記生産義務のそれぞれ1.5万台、1.12万台に相当するEVを造れば済む。

そこからは、低燃費車生産の実績がある自動車メーカーを評価する意図が見て取れる。同政策では、優遇車種の仕様が明記されていないものの、HVの省エネ効果が低燃費車基準に達する可能性が高いとみられる。

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