山手線よりスゴい?「大阪環状線」7年間の大変化 駅や車両「ブラッシュアップ」でイメージ向上

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大阪環状線の主役車両も代替わりした。数年前までは国鉄から引き継いだオレンジ一色の車体の「103系」「201系」の姿が見られたが、専用に開発した新型車両「323系」に順次置き換えられた。“伝統色”のオレンジを外観のラインに引き継ぎ、車内はドア横の袖仕切りを斜めにしてスペースを広げ、余裕のある空間にした。

デビューを待つ「323系」(右)と大阪環状線を走る「201系」=2016年12月(記者撮影)
323系は2016年12月24日に営業運転を開始した。種別表示にはクリスマスツリー(記者撮影)

323系はプロジェクトの始動を宣言したちょうど3年後の2016年12月24日にデビュー。前面や側面に表示したクリスマスツリーの図柄が新型車両の登場に花を添えた。2019年に全編成(8両編成22本)の投入が完了。103系は2017年10月3日、201系は2019年6月7日に大阪環状線・JRゆめ咲線の運行から引退した。

企画課の吉田さんはこれまでのプロジェクトの成果について「お客様満足度の向上や乗車人員の増加など一定評価をいただいている」とみている。今後に関しては「引き続き、さまざまなコラボレーションや地域の皆様との連携などを通じて、大阪環状線の沿線価値向上を目指していく」と強調する。

まだまだ進化が止まらない?

プロジェクト開始直後の目玉、ビエラ玉造の外観デザインのモデルとなった103系はすでに姿を消した。だが、4ドアだった国鉄車両が引退し、3ドアの車両に統一されたことでホーム上の降車エリアや乗車位置といった足元の案内表示の整備が進み、混雑緩和に向けた対策が取りやすくなった。ホーム柵も設置済みの大阪、京橋に加え、鶴橋・天王寺・新今宮に導入する予定で、安全性向上や安定輸送につながりそうだ。

また同社は今年2月、323系を使って自動で列車を走行させる試験を実施。加速・減速や定位置停止といった制御機能、乗り心地などを確認した。将来的には大阪環状線・桜島線を「自動列車運転実現の最初の線区」とする考えだ。

京橋駅のリニューアルは、プロジェクトが目指した駅設備改良の集大成ともいえる。当初掲げたハード面での「明るい、きれい、わかりやすい」のコンセプトが具体化したいま、これからどのように沿線の魅力向上へ磨きをかけていけるかが試される。

橋村 季真 東洋経済 記者

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はしむら きしん / Kishin Hashimura

三重県生まれ。大阪大学文学部卒。経済紙のデジタル部門の記者として、霞が関や永田町から政治・経済ニュースを速報。2018年8月から現職。現地取材にこだわり、全国の交通事業者の取り組みを紹介することに力を入れている。

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