山手線よりスゴい?「大阪環状線」7年間の大変化 駅や車両「ブラッシュアップ」でイメージ向上
大阪―西九条―天王寺―京橋―大阪と、市内中心部を1周する大阪環状線の路線記号は「O」と実にわかりやすい。英語表記は「Osaka Loop Line」だ。JR西日本によると、「愛称線区」としての大阪環状線は大阪―天王寺―大阪だが、「営業線区」としては天王寺―新今宮の20.7kmが大阪環状線で、残り1駅分の新今宮―天王寺間(1.0km)は関西本線に乗り入れている。
環状運転を開始したのは前回の東京五輪があった1964年で、山手線(1925年)よりもずっと新しい。線内を周回する「普通」と、関西本線で奈良方面へ向かう「大和路快速」、阪和線で関西空港や和歌山方面とを結ぶ「関空快速・紀州路快速」などが走る。
快速列車は天王寺始発の場合、「逆『の』の字」を描くように環状線を1周して天王寺へ戻った後に奈良・和歌山方面へ出ていくため、車内のドア上にある停車駅案内には、たどっていくと天王寺が2回出てくる不思議な表記もある。
ほかに、人気のテーマパーク、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンを沿線に抱える桜島線(JRゆめ咲線)直通の普通や、京都・新大阪方面と関空を結ぶ特急「はるか」、南紀方面の特急「くろしお」、さらに貨物列車も一部区間を走るため、車両のバラエティに富む路線だ。
7年前に「ブラッシュアップ」を計画
だが、大阪環状線はつい10年ほど前までは、都会の中心を1周する路線にもかかわらず、国鉄時代の車両が“大活躍”し、駅施設の老朽化も目立つ路線だった。暗い、汚い、は何もトイレに限った話ではなかった。この数年で駅や車両が大きく変わったのは、7年前にJR西日本が打ち出したある作戦がきっかけだ。
同社は2013年3月に策定した2017年度までの中期経営計画で、重点戦略として「大阪環状線のブラッシュアップ」を挙げた。他社が手掛ける「グランフロント大阪」や「あべのハルカス」など沿線での大規模再開発の完成を目前に控えた時期でもあった。
この年の12月24日、「大阪環状線改造プロジェクト」のスタートを宣言。「安全快適な駅づくり(駅美装・改良)」「駅構内および高架下の開発・リニューアル」「車両新製」「地域や他交通事業者との連携」の4大施策を盛り込んだ。
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