安倍首相、「3年ぶり実力者会合」に飛び交う臆測 浮上する秋口解散説、「ポスト安倍」も活発に

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会食の発案者は麻生氏で、10日に官邸で安倍首相とじっくり会談した際に提案、安倍首相も快諾したとされる。安倍首相と麻生氏は「双方が運命共同体を自認する盟友関係」(政府筋)で、政権が危機を迎えて安倍首相がいらだちを募らせている際などは、麻生氏が「精神安定剤」の役割を果たしてきたのは周知の事実だ。

甘利氏は、第2次政権発足時から経済政策「アベノミクス」の司令塔となり、株価上昇やデフレ脱却に手腕を発揮する一方、安倍首相が推し進めていた環太平洋経済連携協定(TPP)の交渉役も担った。

ただ、議員会館での現金授受疑惑で2016年1月に経済再生相を辞任。その後は党運営の下支え役を続けていたが、2018年秋の人事で党選対委員長として表舞台に復帰。2019年9月に自民党税制調査会会長に就任した。この間、一時無派閥だった甘利氏は麻生派に入会し、麻生氏とも極めて親密な関係だ。

麻生、甘利氏と距離を置く菅氏

菅氏は第2次政権発足以来、首相の女房役の官房長官として各省庁の幹部人事を差配するとともに、相次いだ閣僚スキャンダルや大災害などの危機管理を一手に担ってきた。麻生氏とともに文字どおりの内閣の大黒柱で、安倍首相が史上最長政権を実現できたのも「菅氏の下支えがあったから」という見方が定着している。

ただ菅氏は、麻生、甘利氏とは一定の距離を置いてきたとされ、消費税など重要な政策決定や衆院解散のタイミングなどをめぐる意見対立も目立っていた。2019年4月に新元号「令和」を発表してからは「令和おじさん」として国民的人気も急上昇。ポスト安倍の有力候補との声もかかる中、30人以上の無派閥議員による「菅グループ」を背景に、麻生氏や二階俊博幹事長と肩を並べる実力者となった。

参院選勝利を受けての2019年9月の党・内閣人事では、安倍首相が一時模索した岸田文雄政調会長の幹事長起用案を二階氏と連携して潰したとされる。さらに、内閣の目玉人事である小泉進次郎環境相起用の根回し役となる一方、自らの腹心の菅原一秀、河井克行両衆院議員を経済産業相、法相という要職に押し込む剛腕ぶりを見せつけた。

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