自分の口臭に気づかない人に知ってほしい真実 ドライマウスの根本的原因はストレスにある

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笑いとストレスの関係について、福島県立医科大学医学部の大平哲也教授が医学的な研究を進めています。落語を聞く前と聞いたあとの唾液を調べると、「ストレスホルモンである唾液中のコルチゾールの数値は、普段落語を聞く機会が多い人、普段から笑う頻度が多い人は、より低下する傾向が見られた」という報告があります。ストレス度を計測する方法のひとつに、唾液の量や質が使用されていることからも、口腔フローラはストレスの影響を受けやすいことが読み取れます。

緊張やストレスがあると笑う頻度が少なくなり、逆に笑うことがあるとストレスが改善することは誰しも経験があるでしょう。先述の通り、ストレスが改善して副交感神経が優位になると、唾液の分泌が促されて口臭は軽減されます。つまり、笑いで口臭が軽減される可能性は高いと言えるのです。

自分自身で口臭を確認することもできる

ただし、笑いと唾液の研究では、中高年はストレスだけではなく、加齢や認知機能も影響を受けると考えられています。笑いとは、瞬間的に意味を理解して反応する高度な脳の働きでもあるわけで、その点からも、笑いは認知機能と唾液の分泌量に影響するということです。

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また、面白いことがなくても、「笑うという運動」をすると免疫力や認知機能がアップする、ストレスが解消されるとも報告されています。わっはっはっはと笑う運動をすると、表情筋を大きく使うため、口腔トレの一環として有効だろうと思われます。実際にこの運動は多くの医療機関や自治体、また有志に取り入れられています。面白いことがなくても、破顔してわっはっはっはと笑う運動を試みてください。

口臭の自覚がないけれど、家族に指摘されたという場合もあるでしょう。自分の口臭に自分では慣れてしまって、においを感じなくなることがあります。これを嗅覚の順応反応と言います。思いあたることがあれば、まず自分で口臭を確認してみるとよいでしょう。次の方法があります。

●未使用の小さなビニール袋や紙コップに、口から息を吹き込み、その直後にビニール袋内や紙コップ内のにおいをかぐ。
●歯間を掃除する際に、デンタルフロスや歯間ブラシのにおいを、1カ所ずつかぐ。
●腕の内側を舌でなめてみて、直後ににおいをかぐ。

もうひとつ、信頼できる誰かにかいでもらう方法もあります。自分の口元に相手の鼻を近づけてもらい、息を吐いて、そのにおいを相手に聞いてみてください。

江上 一郎 江上歯科院長

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えがみ いちろう / Ichiro Egami

1947年生まれ。歯学博士。江上歯科(大阪市北区。歯科、歯科口腔外科、口臭外来、予防歯科、小児歯科)院長。専門は口腔衛生・歯科口腔外科。日本歯科医師会会員。日本口腔衛生学会永年会員。日本口臭学会口臭認定医。日本糖尿病協会会員。大阪市学校歯科医会北区大淀支部長。日本学校歯科医会歯科校医永年勤続表彰。「口腔は全身の健康の玄関」「口腔ケアのカギは唾液」を掲げ、地域医療、自治体や学校、メディアで口腔ケアを啓発する。

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