組織の基本は、原則「UP」or「OUT」
飲みに行けば10年以上前の武勇伝を聞かせろと言われ、酔いに任せて語ってしまう自分がいる。カラオケにいけば「堂薗さんは80年代がいいですよね?」と松田聖子が選曲され、歌詞を覚えている自分が怖くなりながらも幾度となく熱唱しました。
入社したばかりの新人たちが生まれた年に自分は何してたのか計算して、「えー? アタシが19歳のときに生まれたってこと?」と戦慄したり、「お母さん、おいくつ?」などと聞いて、1歳しか年の違わないお母さんだと聞かされたときなんか、驚きのあまり本当にのけぞってしまったり。まさにイタい状態ですね。
なじみたくて周囲に合わせつつ、「あーこれからはこの若い世代と仕事をしていくのね」と、疲れ切ってトボトボと保育園に向かう夕暮れ。まぁ私の場合は、世代差だけの問題ではなく、高い役職をクビになって、何年も前にすでに経験済みの営業マネジャーとして復職したので、余計に好奇の目で見られているように感じたのだと思います。
これは決して特別なことではなく、40代に突入した途端に感じる違和感は、多くの女性が経験してきたと思います。39歳までとは圧倒的に違うなにか。誕生日がきた瞬間に感じるわけではもちろんありませんが、ある日ふと、この違和感に気づくんですよね。
その正体のひとつは、組織からの見えないチカラです。世の中の企業は、基本的に「UPorOUT」の原則で成り立っていますので、若手に交じって、若手と同じ仕事をしているかぎりは、「OUT」するしかありません。それをこれまでの会社員生活で見聞きしてきているあなたは、だからこそ、誰に何を言われたわけでもないのに「居心地の悪さ」を感じてしまっているのです。
とても敏感に職場に漂う雰囲気を読み取っているあなたの感受性は、たいへんすばらしいと思います。「OUT対象認定」感ですよね。一日中新聞を読んでいるおじさまも、きっと同じように居心地が悪いのでしょうね。まったく気にも留めていないように見えながらも本当はつらい。だから新橋で5時くらいにはもう酔っぱらってるおじさまがいるんですよ。仲間だ!
なぜ、周囲に観察されるのか?
それからもうひとつ。私は、「あの人、定年までいるつもりかしら?」「なんだか気の毒よね」といった周囲からの好奇や憐憫の視線が、その正体だと思うのです。集団に属しているのに、観察されている……。そりゃ、動作だってぎこちなくもなりますよ。それに「将来どうするつもりかしら?」なんて自分のほうが聞きたいくらいで、はっきりしていたら、こんなところで居心地悪く働いていたりしないですものね。
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