川崎汽船トップに黒谷研一氏が就任、本体取締役を経験せず子会社社長から大抜擢--次期社長インタビュー


 --内規を変えるつもりは。

「それはまだ……」

--気が早すぎる、ということですね。1月に発表予定の新中計に関わっていないのに、これを遂行していくことになる?

「コンテナ船の中計はそんなに奇をてらったものにはならないでしょう」
 
 --正式就任の6月までは役員でもないし代表権もない。4月に執行役社長になるだけです。経営上、支障にならないのでしょうか。

「私が答えるべきではないのですが、海運に関してはそういう問題は出てこないのではないでしょうか」

--決裁などの問題は出てこないのでしょうか。

「私が代表取締役に就任するまでは、前川社長が代表取締役会長として残って、役割を果たすということです」

--前川社長が代表取締役会長として残る意味は。社長と会長ではどっちが上?

「今回引き受けるときに「会長に残っても、決めるのは社長。ツー・ヘッドはダメ。すべての決定は社長がする」ということでお互い納得しています。スッキリした形ですべての決定は社長がします。ただ今までも社長経験者は1、2年は社長を補佐する形で代表権のある会長で残っている。むしろこの時点で代表権を外すほうが混乱が起きるでしょうしまるでクーデターが起きたかのような形になるので、代表取締役会長として残ったほうがいいと思います」

--そもそも川崎汽船には代表権のある取締役が多いですね。社長、副社長、専務の7人に代表権があります。昔ながらの日本企業という印象です。

「それは私も、もう少しじっくり考えたいと思っています。シンガポールの中小企業の親方としてやらしてもらった経験が買われて本体の社長になるということであれば、シンガポール政府そのものもそうだったが、小さなガバメントを参考にしたい。ひょっとしたら役員の数が多いという結論になるかも知れない。あくまで可能性で、そのために社内でとにかく3カ月間、みんなと話をしたいな、と。話をして決めていきたい」

--来期のコンテナ船事業黒字化の方策については、これからですか。

「これからですが、今期500億円の構造改革効果で、来期黒字化は夢だと思っていません。コンテナ船の運賃もちょっと回復の兆しにあります。在任中には復配に持って行きたいと思っています」

--2010年の新造船の供給過剰問題については。

「コンテナ船の供給過剰はとっても心配です。ちょっと運賃が良くなると、世界全体で25%くらいの係船している船が戻ってくるのではないか、という懸念はあります。一方でスペキュレーションで造ってきた船は銀行も相当締めるし、一般のファイナンスもないとするとですね、中国とインドが順調な回復をしてくれれば、経済船との入れ替えやスクラップをしていくとかで何とか吸収できるのではないか。ただ、2、3年はかかると思っています」

(山田 雄一郎=東洋経済オンライン)

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