川崎汽船トップに黒谷研一氏が就任、本体取締役を経験せず子会社社長から大抜擢--次期社長インタビュー


 「現在の路線は尊重するし、一方でリーマンショック前までの6年ほどの成功体験に拘泥していないか、という根本的な質問が私には出せると思う。現在は副社長、専務が似たような年齢で、前川社長とも年齢が接近している。今回、入社年次で2年、若返るのではなく歳寄るのは、現在の経営メンバーのとりまとめが出来るだろうと。不定期船だろうが自動車船であろうが根本から問い直すのが役目だと思っています」

--言われてすぐOK、と言ったのでしょうか。

「2009年12月11日金曜日の午後3時に前川社長からの電話がかかってきて、「この電話ですぐ受けて欲しい」と。私はシンガポールの社長を65歳までやっていようと常々思っていたので、最初聞いたときに私が「どこの会社の社長ですか」と聞き直すと「良く聞いてくれ、川崎汽船の社長だ」という。「それは冗談でしょう」と。15日に日本に帰ってきて、16日の夕方の4時から5時半まで徹底的に2人で話をして、「体力の続く限りやってみましょう」ということになった。16日の5時半には「一身を預けます」という返事を前川社長にした」

--前川社長に会うまでには社長を受ける決心がついていた?

「勘弁してくれ、と前川社長を説得しにきたつもりが逆説得になった」

--社長就任は想定していた?

「ないですね。12月25日の朝に発表になったときに、100人が100人、役員も社員も「全員が椅子から滑り落ちた」と言っていました」

--前川社長は丸5年やりましたが、黒谷さんは何年やるつもりですか。12月19日に63歳になったばかりですね。

「基本的には体力が続く限りですが、内規(川崎汽船の取締役退任の内規は65歳。65歳である間に退任しないといけない)もある。2年はミニマムだが、それまでに「コンテナ船事業の立て直しに道筋がつけば」と思っている。自分を縛るつもりはないが、そんなに長くはない。後継者を育てることも視野に入れながら目の前のコンテナ船問題を片づけていきたい」

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