グッチ「ファッションショー減らす」宣言の衝撃 「秋冬」「春夏」と言う呼び方も再検討

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グッチのクリエーティブ・ディレクター、アレッサンドロ・ミケーレは5月末の記者会見で、今後のファッションショーのあり方を見直す考えを示した(写真:Stephanie Gengotti/The New York Times)

グッチはファッションショーを変えたいと思っている。というよりも、ファッションショーという事業のあり方を変えたいと思っている。新型コロナウイルスを機会に、ファッションブランドや小売店はファション事業の仕組みをリセットしようと声を上げ始めているが、グッチというグローバルな有名ブランドもそれに加わった。

ショーの回数を5回から2回に削減

グッチのクリエーティブ・ディレクター、アレッサンドロ・ミケーレは、5月25日にオンライン記者会見を開き、毎年開催しているファッションショーの数を5回から2回に減らすと発表した。これにより、ローマのカピトリーニ美術館などで開催してきた、シーズン半ばの華やかなショー「クルーズ・コレクション」は実質的に廃止される。

さらにミケーレは、メンズとウィメンズの区別や、秋冬コレクション、春夏コレクションといった昔からの呼び方もやめたいと話した。

「新しい空気を入れて、この複雑なシステムを生まれ変わらせる必要がある」とミケーレは言った。その方法の1つが、ファッションショーの回数の削減だ。会見はローマの彼のスタジオで行われ、ミケーレは考え深げに大きな黒の扇子を動かしながら話をした。

新型コロナウイルスのパンデミックをきっかけにファッションショーのスケジュールを変更するのは、グッチが初めてではない。このパンデミックによってファション業界は実質的に動きを止め、店舗は閉じられ、財務は悪化した。

グッチの親会社であるケリングが保有するブランドの1つ、サン・ローランも、今年は従来のファッションショーのスケジュールには従わず、独自のスケジュールで進めるという。

デザイナーのドリス・ヴァン・ノッテンは、少なくとも2021年まではファッションショーを開催しないと話す。ジョルジオ・アルマーニは、メンズとウィメンズのショーを合体して9月に開催し、オートクチュールのショーはパリではなくミラノで、1月に開くと発表した。

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