東海道新幹線の新型車両「N700S」は、7月1日に営業運転の開始を予定する。JR東海の新幹線車両としては13年ぶりのフルモデルチェンジ車となる。現在主力のN700Aとパッと見は似ているが、よく見ると前面のライトが大きくなるなど先頭形状がN700Aから少し変化している。側面の目新しいゴールドのロゴも目印だ。
普通車座席のコンセントはN700Aでは窓側のみだったがN700Sでは全席設置に。また床下機器の小型軽量化、リチウムイオンバッテリー搭載により停電時でも安全な場所まで自走可能になるなど、“見えない部分”の進化は大きい。
昨年10月、N700S確認試験車の報道関係者向け試乗会に参加した。普通車座席をリクライニングしてみたところわずかに座面が沈み、少し倒しただけで実際の角度よりも深く倒れたような感覚だった。N700Sに乗車したら是非体感してもらいたいポイントだ。先代N700Aにはなかった荷物掛けフック、カーテンを下ろしても飲み物が安定して置けるようになった窓側テーブルにも注目してほしい。
JR東海によると、現在は走行試験など営業運転に向けた準備をしており「デビュー後はN700Aと一体で運用していく予定」(東京広報室)という。
予約のハードルが下がった
東京―出雲市・高松をそれぞれ約12時間・約9時間半で結ぶ寝台特急。「サンライズ出雲」「サンライズ瀬戸」は岡山で分割・併結して運転している。かつて日本全国を走っていた寝台特急も、定期列車はこの「サンライズエクスプレス」だけになってしまった。
車内は住宅メーカーとの共同設計で、木のぬくもりを生かしたインテリアで統一。運賃以外に指定席特急料金のみで乗れる「ノビノビ座席」からビジネスホテルのような1人用個室「シングルデラックス」まで、予算と目的にあわせていろんな設備が選べ、観光から出張まで幅広く利用されている。
1998年に運行を開始したベテラン車両だが、この列車には1つ難点があった。個室寝台は基本的にJR各駅のみどりの窓口などに出向かないときっぷを購入することができなかった。
しかし今年の4月から、ようやく個室寝台もJR西日本の予約サービス「e5489」を通じたネット予約が可能になった(ノビノビ座席はJR東日本「えきねっと」も対応)。
e5489で予約したきっぷが受け取れるのは、JR西日本の主な駅の指定席券売機等または駅のみどりの窓口に限られる。だが、乗車区間にJR東海の区間(サンライズエクスプレスの経路上では熱海―米原間)が含まれていれば、同社の指定席券売機・駅の窓口でも可能だ。
首都圏であれば、東京・品川・新横浜といった東海道新幹線が停まる駅に「JR東海の指定席券売機・窓口」がある。東京側はきっぷの受け取り場所に少し注意が必要だが、以前よりはずっとハードルが下がったサンライズエクスプレスにふらっと乗ってみるのもよいだろう。
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