エコ住宅と家庭のCO2削減、省エネと快適性の両立に必要な国民負担を明らかにせよ

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変わる住宅像

そもそも、省エネ住宅とは何か。

経済産業省によれば、高断熱住宅、高気密住宅、パッシブ(無暖房)住宅など自然エネルギーや省エネ設備を擁した住宅とされる。

しかし、近未来的にエコ住宅は太陽光発電や燃料電池、プラグイン・ハイブリッド車のプラグの受け口などエネルギー生産拠点として位置づけることができる。「エネルギーを消費するだけの場から生産し蓄える機能が加われば、住宅が持つ付加価値が増す」(日本総合研究所・三木優主任研究員)。

09年1月に始まった住宅用太陽光発電補助金の申請件数は、11月の余剰電力の固定価格買い取り制度導入以降高水準で推移している。資源エネルギー庁の試算では、国などの補助金と固定価格買い取り制度により、これまで20年程度だった設置費用の回収期間が10~15年程度に短縮されるという。「省エネ住宅の機能性や快適性がわかっても、コストに見合わなければ支持は得られない。家庭部門のCO2削減には住宅の省エネ化が不可欠だが、そのためにも政府はエコ住宅の採算表を示すべき」(三木氏)だろう。

たとえば、政府がイメージする次世代型省エネ住宅のモデルハウスを造ってみたらどうだろうか。そのうえで家庭部門でのCO2削減目標を示し、日本の新たな住宅のあり方へのグランドデザインを掲げるべきだ。今回の住宅版エコポイントにはその長期的視点が感じられない。

前麻生政権では、当時の中期目標「05年比15%減(90年比8%減)」への必要な対策として、太陽光発電が現状の20倍、省エネ住宅が新築住宅の80%へ、高効率給湯器への切り替えが現状の40倍、などが示されていた。さらに高い目標を掲げた現政権では、これを大きく上回る対策が求められる。しかし、現時点で政府は「25%削減」への家計負担などの試算公表を先送りしている。

家庭部門でのCO2削減には省エネと快適性の両立を目指すとともに、それに対する適正なコストを示していくことが求められる。生活の基盤である「家」について、国民を巻き込んだ議論を始めるときである。
 
(シニアライター:野津滋 =週刊東洋経済)

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