エコ住宅と家庭のCO2削減、省エネと快適性の両立に必要な国民負担を明らかにせよ


 また、エコポイントにより販売が高水準で推移する薄型テレビに対しても、「需要の先食いの公算大」(日本総合研究所)とする指摘もある。「過去10年間のテレビ出荷台数は景気変動にかかわらずほぼ横ばい」(同)だからだ。であれば、制度終了後反動減が顕在化する可能性が高い。冒頭事例のように、省エネ住宅=快適で健康な生活という付加価値をつけなければ、消費者のエコ需要は喚起できない。

短期的な景気・雇用対策としての政策効果に関心が集まる一方、省エネ住宅はむしろ長期的に成長が見込める環境産業の重要部門として注目できる。民主党のマニフェストでも「環境に優しく、質の高い住宅の普及促進」を掲げ、「太陽光パネルや断熱材設置などの省エネ改修工事支援」など具体策をうたっている。

CO2(二酸化炭素)排出では工場や発電所など産業部門が問題視されるが、増加が著しいのはオフィスなど業務部門と家庭部門である。2008年度の排出量を1990年比で見ると、総排出量では1・9%増だが、業務部門が41・3%増、家庭部門が34・7%増といずれも高い伸びを示している。見方を変えると、民生部門には省エネの改善余地が十分あるわけである。

これを受けて、民生部門の環境規制も強化されている。09年4月施行の改正省エネルギー法では、中小規模の住宅・建築物にも省エネ措置の届出義務が課せられた。また、年間150棟以上の建売住宅を販売する住宅会社に対し、13年までに一定の省エネ水準をクリアすることが義務づけられている。

新築だけでなく、既存ストック住宅の省エネ性能向上への施策も示されている。06年6月施行の住生活基本法では、省エネ対策を講じた住宅ストック率を現状の18%から16年までに40%へ、またリフォームの実施率を同2・4%→5%などの数値目標を掲げている。このほか、国土交通省では住宅・建築物省CO2推進モデル事業を公募、採択された事業に補助金を出している。

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