自粛生活に「幸福を感じた人」が口々に語る理由 150人調査で見えてきた、意外な「要不要」

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最後は、意外にも多くの人から寄せられた睡眠に関する変化についてご紹介しよう。

〇睡眠に変化が表れた人たち
自分は外にほとんど出なくなって疲れる機会が無くなったのに、睡眠時間が長く不規則になりました。あと甘いものを体が欲するようになったと感じています(高校生男子)
ものすごく眠るようになりました。コロナ前5〜6時間、3月ごろから8〜11時間になりました。夜8時間寝てさらに昼寝に2〜3時間という感じです。自分がロングスリーパーだとは思ってなかったのでちょっとびっくりなのですが、幸い寝る時間はあるし、もしかしたら一種のストレス反応かもしれないなと思って無理に起きないようにしてます(30代女性、都内飲食勤務)
ショートスリーパーだと思っていた私。1日4時間以内の睡眠だったのを5時間以上寝るようにした。 仕事のパフォーマンスも上がり、夕方から眠たくなっていたのが、なくなる。 今まで睡眠不足だったと、知った。(46歳、美容家)
コロナ騒動の少し前は、夢を見ることなくぐっすり寝られてましたが、最近では毎日夢をみています。寝起きもあまりよくなく、正直うんざりしています。 夢の内容ははっきり覚えていないのですが、何かを探そう探そうとしているように思います。時短出勤や時差出勤、休業などのコロナ対策が会社からまったく出ていないのも不安のひとつかもしれません。毎日恐怖と戦いながら職場へ向かっています。(37歳、既婚、工場勤務)

 

睡眠という項目をアンケートに設けていたわけではないにもかかわらず、たくさん寝るようになった人、夢をよく見るようになった人など、複数の人が睡眠の変化を報告してくれた。

無意識のうちに変化と格闘する私たち

実はかく言う筆者も3月下旬以降、睡眠時にはほぼ毎晩、奇妙で鮮明な夢を見るようになった。外出してはいけない、人と会ってはいけない、他人に触れてはいけない。いまだどこか現実感の薄い現実を、それでもなんとか現実として受け止めようと、私たちの意識は見えないところで奮闘しているのかもしれない。

コロナという世界的な災禍の中で、一人ひとりのささやかな暮らしに生じる重大な変化は、家庭の内側に閉ざされ、外から簡単には見えにくくなっている。けれどもそうやって見落とされそうになるものの中に、人間の暮らしや生き方の本質に通じるものが少なからず潜んでいると筆者は考える。事態が続く限り、継続してこの調査を行っていきたい。

紫原 明子 エッセイスト

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しはら あきこ / Akiko Shihara

1982年、福岡県生まれ。男女2人の子を持つシングルマザー。 個人ブログ「手の中で膨らむ」が話題となり執筆活動を本格化。BLOGOS、クロワッサン オンライン、AMなどにて寄稿、連載。その他「ウーマンエキサイト」にて「WEラブ赤ちゃん」プロジェクト発案など多彩な活動を行っている。著書に『家族無計画』(朝日出版社)、『りこんのこども』(マガジンハウス)がある。

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