「生ビール」はお店でしか飲めないという大誤解 生ビールの「生」とはいったい何のことか
まず麦を発芽させてから焙燥して、芽を取り除きます。モルトの焙燥温度によってビールの色が変わってきます。高温で深煎りすると濃い色のビール、低温で浅煎りすると淡い色のビールが出来上がります。
その後は粉砕です。モルトを粗挽きにしてからお湯に浸して「マッシング(糖化)」というプロセスに入ります。モルトにはもともと糖がほとんどないので、マッシングすることで酵素がモルトのデンプンを糖に変えてくれます。ビールにアルコールと炭酸を発生させるために糖はなくてはならないものです。
次の工程は?
お湯と混ざったモルトはいわゆるお粥のような状態。それを濾して麦汁だけを取り出す作業を「スパージング」と言います。この工程で最初に出てきた麦汁こそが、1番搾り麦汁です。紅茶のティーバックと同じで、最初は濃く出ますが、濾す回数を重ねると麦汁もだんだん薄くなっていきます。
次は麦汁を煮込む作業です。まだここではただの甘い麦汁なので、苦味をつけるためにホップを投入します。煮込むのは、ホップの苦味を十分に浸透させるため、また殺菌のためです。煮込みが終わると次は発酵です。発酵ステージに行く前に一気に麦汁を冷やしてから、発酵タンクへと移動させます。冷やすのは菌の増殖を防ぐためです。発酵で酵母を使うため、ほかの菌の影響がないようにしなくてはいけないのです。
マッシングで出た糖を酵母が食べます。酵母が糖を食べると、アルコールと炭酸ガスが発生します。こうしてやっとビールの最終形態に近づいていくのです。発酵期間はビールのスタイルにもよりますが、ラガーで10日、エールで5日間ほどです。発酵が終わったビールは熟成・貯蔵して寝かせます。
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