コロナ禍で突然の解雇、そのとき何をすべきか それは解雇?それとも退職勧奨?
退職後の就業形態により税金の申告や納付の方法が異なります。
原則企業は、所得税を従業員から徴収して納付する義務がありますが、住民税も同様に市区町村に代わって従業員個人から徴収し納税しています。転職が決まっている場合は、市区町村への特別徴収・給与支払い報告に係る給与所得者異動届出を新しい勤務先を通じて行います。個人事業主になる、あるいは離職期間が生じる場合は、退職前の勤務先に申し出て普通徴収への切り替え手続きをしてもらいます。退職後に市区町村より納付書が送られてきますので期限を守って納付しましょう。
最終の賃金支払い時、退職一時金支給時に企業から源泉徴収票が交付され、これにより原則課税関係は終了します。再就職しない、ほかの所得がある場合などは、退職所得の確定申告が必要になる場合があることに留意が必要です。
忘れてはいけない年金関係の手続き
企業年金制度には、確定給付企業年金、厚生年金基金、確定拠出年金、中小企業退職金共済・特定退職金共済などがあります。ポータビリティ(資産の持ち運び)の仕組みを持つ制度は、年金受給開始前に年金資産を途中で取り崩さずに、資産を持ち運び運用を継続することが可能です。
脱退一時金相当額を年金規約に定める確定拠出年金制度など他の企業年金制度へ移換することが可能です。移換する場合は、移換する年金制度を特定し、資産移換前後のそれぞれの年金制度の受託機関にて手続きを行うことになります。企業年金制度は専門用語が多く複雑なので、手続きについてはできる限り退職前に企業の協力を得て、必要な資料など入手しておきましょう。
確定拠出年金制度は、原則60歳まで引き出しはできません。60歳未満で退職する場合は、原則移換手続きが必要であると認識しましょう。
退職後の就業形態や転職先の企業年金の有無などにより、iDeCoや転職先の企業型確定拠出年金など資産の移換先が異なります。退職前に運営管理機関に確認し、必要書類を取り寄せ適切な移換処理を励行しましょう。手続きが遅れると一定期間経過後、国民年金基金連合会へ移換され、運用されないまま手数料が資産から控除され続けることに留意が必要です。
このように退職にまつわる手続きにはさまざまなものがあります。大変ですが、知っておくと安心です。
いずれにせよ人員削減が行われるときは、整理解雇なのか退職勧奨なのか誤解が生じないよう、企業は十分に説明を尽くしてほしいものです。そして、退職が決まったあとは、従業員の生活に支障が出ないよう各種手続きはもちろん、再就職支援などのサポートが従業員に実施されることを心から願ってやみません。
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