コロナ禍で突然の解雇、そのとき何をすべきか それは解雇?それとも退職勧奨?
それでは実際に解雇が決定したあと、従業員にはどのような手続きが発生するでしょうか。
賃金は毎月、通貨で一定額を一定の日に支給する決まりがあり、就業規則にその計算対象期間や計算方法が定められています。解雇日が決定したら、すでに就業した分について検算することで、未払いを未然に防ぐことができます。
なお、社会保険の保険料や時間外手当の精算タイミングが当月なのか翌月なのかは企業によって異なるため、併せて確認しておきましょう。解雇予告手当が支給される場合も同様に、手当の額を検算してみましょう。
また、退職給付制度がある場合は、会社都合の支給額を就業規則の定めに基づき計算し、割り増しがある場合はその額や支給予定日も確認しておきましょう。企業年金制度がある場合は、受託機関や運営管理機関を確認し、退職後の照会先を特定しておきましょう。
事業所が突然閉鎖されてしまった、解雇通知後企業と連絡が取れないなどで、賃金が未払になってしまうこともあります。労働基準法上賃金の請求権は3年、退職金は5年の間、認められています。請求する相手の所在がわからないなどで賃金を支払ってもらえないときは、未払賃金立替払制度の活用を検討しましょう。対象となる労働者については、独立行政法人労働者健康安全機構のホームページで確認してみてください。
失業後の暮らしを支える「失業等給付」の手続き
退職後は、勤務先から雇用保険被保険者離職票が送られてきますので、離職証明書と併せて従業員の住居地を管轄するハローワークに提出します。求職の申し出を行ったうえで、当面の生活の支えとして、失業等給付の受給申請手続きを行います。ほかにも退職による公的保険制度の資格喪失後、新たな保険制度の資格取得や種別変更等の手続きが必要になります。これまで会社の従業員だった場合、以下の2つの手続きを忘れずに行いましょう。
勤めていたときと同じ健康保険組合等への任意継続、家族の扶養に入る、国民健康保険へ加入のいずれかの手続きが必要です。それぞれ手続きに必要な書類や加入資格要件、保険料負担などが異なります。退職前に準備可能な書類を確保したうえで、手続きの期限など十分に確認し、退職後速やかに手続きする必要があります。居住地の役所にて手続きができます。
転職が決まっている場合は新たな就職先で手続きする、転職せず個人事業主として起業する、あるいは離職期間が生じる場合などは、住民票を置く市区町村で手続きする、家族の扶養には入るときは家族の勤務先で手続きする必要があります。いずれの手続きも退職後、期限を守り速やかに行う必要があります。厚生年金から国民年金への切り替えは、居住地の役所、もしくは年金事務所にて手続きができます。
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