「満員電車を日本からなくす」たった1つの方法 「定時廃止」「成果主義」が多くの労働者を救う

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私は現在(というか、コロナ以後はリモートになったが)フリーランスだが、外注先の博報堂に週1回、小学館に週2回通っている。博報堂は10時30分、小学館は11時か、10時30分に着けばいい。いつもその30分前に電車に乗るが、いずれの時間帯も電車は空いていた。満員電車のピークはだいたい8時ごろ。たかが1、2時間ほど遅く電車に乗るだけで、混雑に巻き込まれなくて済む。

「定時」に縛られた従業員がラッシュアワーでの通勤を強いられ、押し合いへし合いの中、電車で疲労困憊している。駅を降りてからも大量の人間が同じ方向に向かい、さすがに接触することはないものの、不快指数はかなり高い。JR品川駅の大混雑は今回のコロナ騒動で多数テレビで報じられた。あれでも平時と比べればマシなレベルである。

もう「定時」は要らない

だから、今回のコロナでリモートワークに成功した人には「定時をなくす」運動を起こしてほしい。「別に9時出社じゃなくてもよくないですか? 私は10時30分ぐらいには着くようにしますので」「僕は得意先に10時に行き、12時ぐらいには会社に着きますんで」といった形で満員電車に乗らない状況を首都圏で作れれば、どれだけ多くの労働者が快適に仕事ができるだろうか。

仮に「9時から会議」を要請されたとしても、テレワークで会議ができることは今回よくわかった。10時まで自宅で会議をしたところで自宅を出て、11時20分に出社するなどしてもいいではないか。

「会社に指示された時間に出社する社員は偉い」といった価値観は令和の時代には合わない。むしろ単に仕事でいかに成果を出しているかだけを評価基準にしたほうがいい。

「アイツは部署で一番早く来ていてエラいな!」と考える上司が今の時代にいるかどうかはわからないが、毎日満員電車に乗ることを良しとし、定時少し前にデスクに到着する人物が評価されるような時代ではないといった認識を各人が持ったほうがいいのではないか。

中川 淳一郎 著述家、コメンテーター

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なかがわ じゅんいちろう / Junichiro Nakagawa

1973年東京都生まれ。1997年一橋大学商学部卒業後、博報堂入社。博報堂ではCC局(現PR戦略局)に配属され、企業のPR業務に携わる。2001年に退社後、雑誌ライターや『テレビブロス』編集者などを経て、出版社系ネットニュースサイトの先鞭となった『NEWSポストセブン』の立ち上げから編集者として関わり、並行してPRプランナーとしても活動。2020年8月31日に「セミリタイア」を宣言し、ネットニュース編集およびPRプランニングの第一線から退く。同年11月1日、佐賀県唐津市へ移住。ABEMAのニュースチャンネル『ABEMA Prime』にコメンテーターとして出演中。週刊新潮「この連載はミスリードです」他連載多数。

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