3密の「外国人収容所」で今、何が起きているのか コロナを懸念する女性に対する暴力沙汰も

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これまでのところPCR検査を受けた被収容者はおらず、その結果陽性とされた例も見つかっていない。出入国在留管理庁は、発熱等の新型コロナ感染症が疑われる症状がある被収容者は、分離して収容しており、陽性者が出た場合は、その人物を隔離し、医師の指示にしたがって必要があれば入院させるとしている。だが、支援者によれば、発熱などの症状がある被収容者は1カ所に集められているという。

現在、収容施設では弁護士と外交官を除き「感染を防ぐため」面会が原則的に認められなくなっている。そのため、通常は認められない外部から被収容者への電話も認められているものの、時間や回数などは、極めて制限的だ。すでに苦痛な収容生活は一層厳しさを増しており、当局に対する不信感と不安は高まる一方だ。

収容の在り方を見直す時だ

新型コロナはハンコや満員電車といった日本における悪しき慣習を是正する役割を果たすかもしれない。非正規移民の収容もそうだ。「3密」を避けることが求められる感染予防と、非正規移民は原則として収容するという考え方は相入れない。

「これまでのところ、入管当局は、難民申請者を含む非正規移民の収容を回避する信頼できるシステムを開発する努力をしていない」と非正規移民の収容問題に詳しいある弁護士は訴える。が、新型コロナによって新たな収容方法などが必要になっていることは明らかだ。

国連の入管収容代替措置に関するワーキンググループは、新型コロナは収容案を見直す絶好の機会だとしている。同グループは4月末、今回を機に非正規を含む移民の収容環境を見直した16カ国をリストアップした報告書を発表した。驚きはないものの、悲しいことに、そこには日本は入っていなかった。

多くの国は、収容期間を短縮した。一方、日本はさらに厳格化する方向へ進もうとしている。入国管理局は35億円の予算を獲得し、収容施設の拡充を図ろうとしているのだ。このパンデミックのときに。

レジス・アルノー 『フランス・ジャポン・エコー』編集長、仏フィガロ東京特派員

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Régis Arnaud

ジャーナリスト。フランスの日刊紙ル・フィガロ、週刊経済誌『シャランジュ』の東京特派員、日仏語ビジネス誌『フランス・ジャポン・エコー』の編集長を務めるほか、阿波踊りパリのプロデュースも手掛ける。小説『Tokyo c’est fini』(1996年)の著者。近著に『誰も知らないカルロス・ゴーンの真実』(2020年)がある。

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