中国で誰が幽霊不動産を買っているのか? いま、中国で何が起きているのか②

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彼の見方は、大都市に住む富裕層には100億元(1600億円)以上の資産家が5~8%もいて、10億元(160億円)以上の資産家は15%、1億元クラス(16億円)の資産家は20%、1000万元(1.6億円)クラスならば、あふれるほどいるというのだ。

彼のあげる数字も「大都市部(北京、上海、広州など)の有力者」に限った話だろうから、全国規模では話を相当割り引いて聞かなければならないだろう。が、それでも、ニューヨークタイムズが、中国の温家宝前首相一族が約2800億円もの巨額の蓄財をしているなどといった報道などを耳にすると、普通の富裕層など大したことではないという気がしてくる。

彼によると小金持ちの類なら、大都市部には限らない話だという。たとえば、深圳の農家でも家と土地とアパートをいれると、資産3000万元(4.8億円)程度の農家はザラにいるから、このレベルは「中国の資産家」としては、普通の話だとのことだ。10年前と比べると不動産の価値は、場所によっては約10倍前後にも膨れ上がっており、成金の中核は、2004年前後の最初の不動産ブームの時に土地を買った連中だ、という。

年収の100倍のマンション!?

友人のチャンの推察は信憑性があるだろうか?わが愛する北京支店の、呉塵くん(過去のコラムにも何度か登場)にも、話を聞いてみた。中国でいう大金持ちとは、前出のように、一般的に1億元(16億円)の資産家を指すので、確かにこの程度の土地成金はザラに居るという。

10年前なら、たとえば北京の1平方メートルあたりの価格は5000元ほどで、130平米の物件を買うと65万元(約1千万円)であったが、この物件が場所によっては今や10倍の650万元(約1億円)になったというのが実態らしい。

運よく、値上がりの波に乗った成金たちは不動産物件を次々に担保にして、新規物件を手に入れるからスティーブン・チューやダニエル・チャンの様に5軒から6軒のコンドミニアムや不動産を所有しているのは、別に不思議なことではないだろう。

もちろん、北京の130平方メートルの物件(650万元、約1億円)など、普通のサラリーマンが簡単に買えるわけはない。一般のサラリーマンの現在の月給は、約5000元(8万円)だから年俸は約6万元(約100万円)である。

ということは、この物件を新たに買えば、100年間「飲まず食わず」で返済することになる。ここ数年の値上がりが異常であり、給料は上がっているとはいっても、土地バブルには到底追いつけない。ゆえに法人や政府の関係者などは別として、普通なら、高級新築マンションを買う人は、いないというわけである。

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