「食費月2万円」で幸せを築いている夫婦の秘訣 外食産業勤務の夫は1カ月休業になったが…
とはいえ、何かけんかとか、2人の間にネガティブな時間が流れることがないわけはないだろうと根ほり葉ほり聞いてみると、「うーん……」としばらく沈黙の後に、「主人が芸人の道を諦めてから、主人の精神状態が不安定になった時期はありましたね。今の飲食店の仕事にたどりつくまで本当にいろんな仕事をしてきたのですが、やりたくもない仕事、好きになれない仕事をしなければならない時間がつらかったみたいで、カラダも壊して大変でした。その時期には私も主人と一緒によく泣いていました。なるべく主人と気持ちを共有しなければならないと思っていました」と。
お話を聞けば聞くほど、恵子さんはそもそも“人の心の源や癒やし方”を知っている人でした。
ただ状況や感情に流されるのではなく、「大変な状況を頑張ってくれている」と思える人や、「感情を共有することでお互いの絆を深めていく」ということが自然とできる人は、不毛な感情のぶつかり合いは起こさないものです。
それに加え、恵子さん曰くご主人は、“イエスマン”で、けんかがないのもご主人のおかげなのだそう。ご主人もきちんと恵子さんに感謝の気持ちを持っており、お互いによい時間を共有できるように、「お互い意見は必ず言うこと」「もしけんかをしても次の日には持ち越さず、寝たら忘れること」の2つを絶対の約束事としているとのこと。
苦境も「発想の転換力」で心豊かなコンテンツに
ご主人は芸人の道を諦め、現在の飲食店にたどり着き恵子さんと結婚。
今の職場が大好きで、生きがいを感じていると言います。
ご主人も飲食店に勤め始めてから料理に興味を持つようになり、時々恵子さんに「料理の基本を教えてほしい」といって台所に一緒に立ったり、お休みの日には買い物にも同行し、一緒に節約レシピを開発したり、自身の開発レシピを披露するようになったりと、「月2万円の節約レシピ開発」を通して、夫婦の共有する時間がとても濃密なものになっていったそうです。
もちろん、娘さんが生まれてからは、娘さんの栄養を一番に考えてのメニュー開発をしており、“2人ごはん”は“2.5人ごはん”へ。
恵子さんも今ではイラストレーターとして大活躍されており、経済的な生活苦もない状況ですが、月2万円の節約レシピは継続中です。
「食費を抑えていてもおいしいものはできますし、娘とうどんをこねるとか、家族全員で一緒に作れたり、何かを共有できる時間がとても幸せなんです。しかも今主人はコロナの影響で1カ月休業になってしまって、今後の不安はもちろんゼロではないのですが、休業のおかげで毎日娘と仲良く遊んでくれるので、私が仕事しなければいけない時間はとくに助かっているんです」
節約にしろ、コロナ休業にしろ、一見ネガティブなイメージが先行してしまうものでも、それは必ずしも苦しさや貧しさではないのだと、恵子さんを見ていて感じます。「発想の転換力」を持っていれば、どんな状況でも、むしろ心を豊かにもできるコンテンツになってしまうのです。
「2万円の中でおいしいものを作る」「お金を残す」という“同じ目標を持つこと”により、お互いの結束力も高まりますから、恵子さん家族にとっては、“月2万円の節約”が幸せのアクセントになっているのですね。
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