「食費月2万円」で幸せを築いている夫婦の秘訣

外食産業勤務の夫は1カ月休業になったが…

当時恵子さんは、三重県で歯科クリニックの受付の仕事をしながらせっせとイラストを描いてはSNSへ投稿という毎日でした。しかし、彼から「遠距離恋愛はなるべくしなくない。イラストの仕事をしたいなら東京のほうがチャンスがたくさんある」と促され、その2カ月後に上京したのでした。

出会いから2カ月足らずで東京で2人暮らしがスタート。当時芸人を目指していたご主人はアルバイト生活で、手取りは10万円にも届かないほど。恵子さんも上京したものの、すぐにイラストレーターの仕事があるわけもなくアルバイト生活で同じく手取りは10万円に届かないほどだったと言います。東京で暮らすにはとても厳しい経済状況です。

そこで、生活を切り詰めるために、「減らせるのは食費だ!」と、恵子さんは一念発起。なんと月たったの2万円で2人ごはん生活をスタートさせたのです。

「お金を残す」意識で節約の達成感を楽しむ

買い物と料理は主に恵子さんが担当し、根菜類や大豆、納豆などの安くて高たんぱく質の食材やカサ増しのために使う卵は多めにストックし、冷凍の利く野菜、保存の利く食材を買うようにしていったそうです。

月食費2万円の節約生活をスタートさせてから、ご主人が飲み会で4000円ほど使ってくれば「うちの食費の6日分じゃん!」と怒ることもあったと言いますが、生活のためにも節約をしっかりしてくれている恵子さんにはご主人も理解を示し、ご主人自身も月2万~3万円のお小遣いの中でしっかり節約を実践するようになっていったと言います。

筆者自身も上京間もなく在宅介護の仕事をしていた20年前は、超が付くほどのブラック企業にもかかわらず月給の手取りは15万円ほどで、アパートの家賃が6万円、食費は頑張っても月3万円の節約が限界でした。

食べたいものへの我慢や外食を控えるなどかなりストレスがあったことを思い出し、我慢によってストレスを感じたことはないのか恵子さんに尋ねてみると、「食費を削ったからといって栄養を削るわけではないのでカラダの負担はないですし、何より、目に見えてお金がこれだけ浮いた!とわかるので、達成感のほうが先に来て楽しくなるんです」と、貧しさや節約を恨むどころか清々しいまでのスーパーポジティブな恵子さん。

「節約」というより「お金を残す」というポジティブな意識転換がそうさせているのでしょう。苦しいときこそ発想の転換は気持ちを豊かにしてくれるものです。

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