武田薬品に60億ドルの賠償命じる評決 糖尿病薬のリスクめぐる米裁判で
[東京 8日 ロイター] -武田薬品工業<4502.T>が、糖尿病治療薬「アクトス」に発がんリスクがあることを隠していたとして訴えられた裁判で、米ルイジアナ州の連邦地方裁判所の陪審は、武田薬品に60億ドルの懲罰的損害賠償の支払いを命じる評決を下した。
販売で提携する米イーライ・リリー
武田薬品は、評決を承服できないとし、可能な法的手段を活用して対抗する方針を示した。
東京株式市場の武田薬品株は、一時8.8%下落し8カ月ぶり安値を付けた。
原告側弁護士のMark Lanier氏は、評決の賠償額が判決に反映されるかどうかは不透明で先行きは楽観できないとの認識を示した。
Lanier氏によると、陪審は、わずか1時間10分で14項目の問題すべてについて被告に責任があると結論づけ、その後45分で巨額の賠償額を決定した。同氏は、判事が被告から迅速な申し立てがなされることを希望しているが、具体的な日程は決まっていないと述べた。
両社あわせた懲罰的賠償額90億ドルは、エクソンモービルが1989年のバルディーズ号原油流出事故でアラスカ州の陪審が科した50億ドルを上回る。エクソンの事件で最高裁判所は2008年、懲罰的賠償額が「過剰」として最終的に5億ドルの支払いを命じた。このように懲罰的賠償額を限定する判例がでている。
アクトスをめぐっては、昨年5月、原告が発がんリスクに関する信頼できる証拠を示していないとして、武田薬品に650万ドルの賠償を命じた評決を判事が無効としている。
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