「水道代と携帯電話代が払えなくなって『これはマズイ』と思って連絡しました。両親の反対を押し切って俳優を続けているので、これまで援助はしてもらえなかったのですが、今回は本当にお金がなくなってしまったので、土下座動画を送ってお願いしたんですよ。何とか10万円送ってもらえましたが、1カ月後は生きていられるか……。芸人なら賞レースとかで一発逆転があるし、ネット上でもネタを見せて稼ぎやすいけど、俳優はそれができないのがつらいです」
さらに、知人の俳優(34歳男性)も「舞台中止、バイト先休業で収入ゼロ。恋人のヒモ状態で何とか生きています」「このタイミングで『もう辞めろ』と言われているような気もしますが、今は新しく始められる仕事もないと思う」と語っていました。俳優には遅咲きの人も多いものの、他ジャンルの芸能人よりも活動フィールドが狭いため、明るい未来をイメージしづらいようです。
ウーバーイーツと草を食べる日々
2人目の自称「最下層芸能人」は、芸人の荻野さん(仮名、30歳男性)。ピン芸人で全国ネットのバラエティに3回出たことがあるそうですが、「R-1ぐらんぷり」(フジテレビ系)の最高成績は準々決勝進出止まり。先輩芸人から紹介された夜間警備員のアルバイトで生計を立てていましたが、新型コロナウイルスの影響で仕事がなくなってしまいました。消費者金融会社への借金返済もある中、新たなアルバイト先も見つからない荻野さんはウーバーイーツの配達パートナーに登録。しかし、思うように稼げなかったようです。
「本当は芸人としてYouTubeのスーパーチャット(投げ銭)とかで稼ぐのがいちばん良いんですけど、僕のレベルではまず無理ですから。先輩芸人は『今は見てもらうチャンス。ネタにできることが多いのだから頑張りどき』なんて言うけど、食べていけなければ芸人を続けられないですよね。ウーバーイーツの稼ぎだけではギリギリ借金返済できるかくらいなので、どこまでもつかわかりません。実はスマホで食べられる草を検索して配達の合い間に採って食べました……」
その他にも、「ある先輩芸人から動画編集スタッフとして誘われていて迷っています」(31歳男性)、「父親から『当面のお金は援助するから、外出自粛が解除されたら芸人を辞めて帰ってこい』と言われました」(28歳女性)、「空腹でむなしくてネタを作る気力がありません。貧乏には慣れているはずなのに限界かなと思ってしまった」(38歳男性)と芸人を辞めることを考えている人からの声も届いています。芸能人の中でも、「そのとき稼げるか、貯蓄があるか」という意味で、“勝ち組”と“負け組”の差が最も大きいのは芸人ではないでしょうか。
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