最下層芸能人5人、コロナ禍の阿鼻叫喚な生活 バイト先が休業、親に土下座動画、草を食べる

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彼らが引退を考えたのは、きっかけが新型コロナウイルスだったものの、苦しい状況になったことで、年齢、実力、同業者との差などの現実をあらためて突きつけられたからでしょう。2011年の東日本大震災をきっかけに夢をあきらめた人が多かったように、今年も芸能事務所を辞める人が多くなりそうなムードが漂っています。

そんな苦しい日々を過ごす5人に共通しているのは、それでも芸能人として、料理、掃除、洗濯、在宅で行う趣味などの様子をSNSにアップし続けていること。これは在宅率が高まり見てもらうチャンスが増えていることを意識した行動であり、「やっぱりあきらめたくない」「もう少しだけ頑張りたい」という気持ちの表れでしょう。しかし、これと言った策を見いだせないまま、「せめてSNSだけは」と義務のように更新しているところに難しさを感じてしまいます。

ビジネスパーソンのみなさんは、「やりたいことをしていれば、そういうリスクがあって当然」「生活ができないのなら自らやめるべき」と考えるのではないでしょうか。ただ、このコラムを書いた意図は、そこではありません。

緊急時だからこそ求められる個人に

真の意図は、「組織に所属していても安泰とは言えない」「緊急時に通用するスキルを身につけてこそプロフェッショナル(求められる個人なのか)」「そのためには適切なセルフプロデュース、あるいは優秀なメンターが必要」の3点。5人は中規模以上の芸能事務所に所属しながらも極貧となり、緊急時に通用するスキルはなく、打開するためのプロデュースができていないため、より苦しい状況に追い込まれているのです。今回は芸能界の話を書きましたが、他の業界も同じであり、ビジネスパーソンのみなさんにとっても対岸の火事とは言えないのではないでしょうか。

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ただ、ここで紹介した5人も、苦しい現在の状況を切り取っただけで、近い将来、成功を収める可能性を秘めています。逆に5人のエピソードを上から目線で読んでいたビジネスパーソンが、業界の最下層に落ちる可能性もあるでしょう。緊急事態だからこそ、誰かを見て安心したり落胆したりではなく、“人間万事塞翁が馬”の感覚が大切なのです。

俳優の高木さんは、「ゴールデンウイークは1日3本映画を見て、助演俳優の役を演じる」という自宅稽古をはじめ、さらに「作り手の人から声をかけてもらえるように、自宅稽古の様子を動画にアップします」と言っていました。厳しい日々に阿鼻叫喚するだけでなく、かすかな光を求めて歩きはじめられるか。1人1人の意識と行動が試されている時期なのかもしれません。

木村 隆志 コラムニスト、人間関係コンサルタント、テレビ解説者

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きむら たかし / Takashi Kimura

テレビ、ドラマ、タレントを専門テーマに、メディア出演やコラム執筆を重ねるほか、取材歴2000人超のタレント専門インタビュアーとしても活動。さらに、独自のコミュニケーション理論をベースにした人間関係コンサルタントとして、1万人超の対人相談に乗っている。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』(TAC出版)など。

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