現代人がひどく悩まされる「謎の不調」の正体 体調が悪いのは意志が弱いせいではない!?

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結城が挙げた、多すぎるもの、少なすぎるもの、新しすぎるものの例はほかにも多くあります。安藤は結城の指導によってこれら3つを対処していくことで、体の不調を健康なものに戻していきます。

ジワジワとダメージを与える

漫画でも説明されているように、現代社会にはあなたの体にダメージを与える要素が無数に存在します。そのすべてが私たちの体にジワジワとダメージを与え、気づかぬうちに免疫の働きを弱らせていくのです。

例えば、食べ過ぎによる肥満を例にしてみましょう。

当たり前ですが、私たちの祖先が暮らした原始時代には太りすぎの人間など存在しませんでした。そこまでさかのぼらずとも1800年代のヨーロッパでも肥満は珍しい存在で、見世物小屋の芸人として働く事例もあったほどです。

そのため人類には進化の過程で「太りすぎ」に対処するメカニズムを備えることができず、私たちの体は、体脂肪の極端な増加を「なんらかの異常が発生した状態」とみなします。すると、この異常に立ち向かうために免疫システムが起動し、本来はウイルスなどの外敵と戦うために使うはずの有毒物質をまき散らし始めるのです。

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結果として、体脂肪が多い人の体内では免疫システムが暴走を続けるため、「真の外敵」が襲ってきた時に、新たに立ち向かうだけのリソースを割くことができません。

言い換えれば、免疫システムを万全に働かせるためには、つねに人体を健やかな状態にキープし続けて「最高の体調」を手に入れるしか近道はありません。「文明病」の問題は一朝一夕に解決できるものではありませんが、それでもやれることは無数に存在します。

外出自粛が続くいまの状況は、逆に言えば、いったん従来の生活をリセットするチャンスでもあります。進化医学の知恵を使って、ぜひ最高の体調を取り戻してみてください!

鈴木 祐 サイエンスライター

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すずき ゆう / Yu Suzuki

1976年生まれ、慶應義塾大学SFC卒業後、出版社勤務を経て独立。10万本の科学論文の読破と600人を超える海外の学者や専門医へのインタビューを重ねながら、現在はヘルスケアや生産性向上をテーマとした書籍や雑誌の執筆を手がける。自身のブログ「パレオな男」で心理、健康、科学に関する最新の知見を紹介し続け、月間250万PVを達成。近年はヘルスケア企業などを中心に、科学的なエビデンスの見分け方などを伝える講演なども行っている。著書に『最高の体調』(クロスメディア・パブリッシング)、『ヤバい集中力』(SBクリエイティブ)他多数。

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